2007年12月19日水曜日

今週の倫理 (538号)より 明朗心ノススメ

倫理法人会の学びと実践の元になるのは、純粋倫理と呼ばれる生き方の法則「くらしみち」です。この「くらしみち」の重要な原則の一つが、「何事においても心が先行する」ということです。しかし人の心は、物事に左右されがちです。
 では、その心をどのようにすればよいか。「くらしみち」は、三つの指標を掲げています。それが、明朗(ほがらか)愛和(なかよく)喜働(よろこんではたらく)なのです。
これらを実践の指標として、自らを磨き高めていくのですが、特に大切なのが「明朗」です。明朗な心が周囲の人に向くとき「愛和」となるでしょうし、働きに向かえば「喜働」となるからです。
そして自己をよりよくするばかりでなく、その波動は周囲を善き方向に導き、組織をそして地域をよくする源泉となるのです。自己満足的、また表面的な実践では、その明るく朗らかな波動を発することは出来ません。幸福な状態にあるから、心が明るく朗らかなのではなく、心が明朗だから、そこに幸せが添うのです。
 その明朗と対極にあるのが、不足不満や心配、憂えといった心持ちだといえます。よき未来を切り開くには、そうしたマイナスの心のあり方を、いかに早く切り替えるかが大切です。
 未来のことを心配して「イライラ」せず、過去に囚われて「クヨクヨ」せず、リーダーとして、まず自らが徹底してその心を明るく朗らかに練り上げ、自分はもとより周囲をも「ワクワク」させるような波動を放ち、組織を「グイグイ」と牽引していく力強さが求められるのです。
そうした明朗心を養う秘訣は、あらゆる出来事に対してスピーディーに対応処理しつつ、どんな出来事であっても「そのまま受ける」ことが大切になります。そのおおもとにあるのは、自身の命の元に対する心の構えなのです。
製造業を営むB氏は先日、気鋭の若き後継者に社長の椅子を譲りました。創業から来年で二十年を迎えようというB氏が、どんなことがあっても毎月必ずやってきたことがあります。それは、毎月の支払日にその月の支払伝票と、社員に渡す給与袋をB家の墓前に供え、今月も無事に支払いをし、社員さんに給料を支払うことが出来ることに感謝し、来月の精進を誓ってきたことです。
中小企業には、まだまだ厳しい風が吹き付ける中での後継でしたが、計画的に作業を進めたB氏の目には、憂いは感じられません。新工場の建設が進む中、これからは新社長がその仕事も受け継いでいくそうです。
 年の瀬の後始末の季節です。感謝の思いを深めつつ、「クヨクヨ」「イライラ」を捨て、「ワクワク」「グイグイ」の新年を迎えようではありませんか。

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