2007年9月26日水曜日

今週の倫理(526号)より 用なき人に用あり 人の縁は味なもの

組織にはとかく内輪もめがつきものです。
 人は、何故もめるのか? 周りを敵と味方に色分けしたがることや、損か得かだけで判断したがること。また、組織を「我が物」として支配したがるからです。
 経営者や組織のトップが心しなければならないことは、「すべては預かりもの」という考え方です。会社も社員も、実は「預かりもの」「天与のもの」という、報恩感謝の軸をブレさせないことが経営者をはじめ役職者の大切な心得です。
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建設会社の経営者T氏(六九)は、四十歳のときに同級生に勧められ、倫理を学び始めました。T氏は当時、経営上の悩み(とくに資金繰りや社内のもめごと)があり、倫理指導を受けたのです。
すると、研究員から「周りの人に対して、差別した挨拶を交わしていますね。お得意さんはじめとするお金になる人には、丁寧な応対をされるが、逆にお金にならない人には無意識のうちに無愛想な態度をとっていますよ。昔から『用なき人に、用あり』といいます。これからは、前者の人たちに勝るとも劣らぬ挨拶を、後者の人たちと交わしてみなさい」と指摘を受けたのです。
T氏はさっそく、勇気を出して実践に取組んだといいます。社員はもとより、会社に出入りするさまざまな人たちへ、「こんにちは、いらっしゃいませ」と、努めて笑顔で声かけを始めたのです。
ところが、かけられた側の人たちは、戸惑いを隠せなかったといいます。
T氏の豹変ぶりに、毎日のように来社する郵便配達員、宅配業者、ヤクルトレディたちが、〈家でも売りつけようという魂胆かもしれない…〉と勘ぐったため、自然と返す言葉も歯切れが悪かったのです。そうとは知らず、T氏はなおも挨拶を余念なく続けたのです。猜疑心で受け答えしていた出入り業者らでしたが、いつしか不安も剥がれ始め、温かく迎えられていることを実感しはじめたのです。
そんな時、ヤクルトレディのKさんが、一戸建て建築の仕事を紹介してくれたのです。Kさんも様々なお客に商品を届けています。そんな得意客の一人から、よい建設業者を探していることを打ち明けられた彼女は、「それならT社長の会社がお勧めですよ」と熱っぽくT氏の会社を推し、紹介の労を取ったのです。
T氏はそのことを知り、思わぬご褒美をいただいたと感謝の気持ちでいっぱいになりました。「用なき人に、用あり」という言葉をかつて教えていただいたが、まさに本当だなぁ…という思いです。
人の縁は、どこでどうつながるか計り知れません。T氏は、倫理指導で教えてもらったことを改めて噛み締め、実践に磨きをかけ、相談した問題を一つひとつ解決させていったのです。
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T氏が倫理と出会って三十年。社員の幸せを預かるという、経営者としての使命に燃えています。周囲の人々を損得勘定で計っていた昔を捨て、現在は多くの人に倫理経営を伝えるべく、倫理法人会の活動を通して貢献する毎日です。

2007年9月25日火曜日

9月25日 モーニングセミナー


本日は横浜市民プラザ事務局長 高木まさ子さんの講話。

連休明けの一番集まりにくいMSの講師としてお越しいただきました。

横浜市民プラザとは横浜の精神文化の発展に貢献し、かつ、横浜より世界に情報を発信したいとの願いから、1988年横浜博覧会の前年に、横浜の財界人を中心とする有志により設立され、今年は20周年を迎える。

初代、会長は故、サカタのタネ会長、坂田正之氏、設立当時の役員には上野豊氏、日本発条の坂本寿氏、横浜銀行の吉国次郎氏、ヨコレイの吉橋伊佐男氏、川本工業の川本譲二氏、横浜植木の渡迦健次郎氏、崎陽軒の野並豊氏、横浜市立大学学長の高井修道氏等がいる。現在、会長は野並豊氏が勤める。

会では主に、春秋各8回、年16回の講座を開催している。
毎年社会の二一ズを先取りしたメインテーマの下・各界の一流の講師陣を招いての講演会は深く、高い視点とグローバルな視野が得られると好評を得ている。
また、各期の終了時に開催される交流パーティーは異業種交流の場として定着している。

2007年9月20日木曜日

平成20年度通常総会・新入会員歓迎懇親会

昨日、平成20年度通常総会をLプラザ・特別会議室で行いました。
総会という形は、前嶋前会長の提案により前期より始められましたが、会場の雰囲気も相まって厳粛に行われました。

議事では、平成19年度の事業報告・決算報告ならびに監査報告、平成20年度の活動計画予算案が審議され議案通りに承認されました。

現在のモーニングセミナーの開催を始めとした通常の運営をするのが精一杯という台所事情を見てしまうと、会員を増やすことが目的ではないけれども、もっと広く多くの人に活動の趣旨を理解してもらい、仲間を増やしていかなければならないということを改めて感じました。










総会終了後は会場を換えて懇親会を行いました。
総会が終わって飲み会の場になっても、どうやって倫理法人会の存在をより多くの人に知ってもらうか、職場の教養をムダにすることなく多くの人に読んでもらえるようにするために何をすべきかなど大マジメに議論している姿を見ていて、本当に倫理法人会が好きな人ばかりが集まっているんだな~と改めて関心してしまいました。(他人事みたいですけど・・・by 守田幹事)

2007年9月19日水曜日

今週の倫理(525号)より 学ぶべきは先代敬の心が社を伸ばす

中小企業にとっての深刻な問題の一つに、後継者問題があります。事業を創業した多くの経営者が、現在、世代交代期を迎えていますが、経営を譲りたいと思っても、後継者がいない場合も少なくないのです。
中小企業庁のアンケート調査では、約五割の企業で後継者がいないといいます。こうした背景には、若者に興味深い業種の増加や、技術革新・グローバル化・少子高齢化といった厳しい環境の中、後継者には高い資質が要求される、などがあるようです。
 確かに、二代目と目される人たちからは、「父親の会社に興味はないし、苦労もしたくない」「現在の社員の上に立って、会社をリードしていく自信はない」などの声を聞くことも少なくありません。しかしこれらの人の多くが、創始者としての父親の生き方やこれまでの経営経過を、ほとんど知らないのです。
仮にそれらを知れば、父親の仕事に対する興味も湧いてきますし、後継者としての自信も出てくるでしょう。これまで長い期間、経営者としての父親の下で育ってきたことでもあり、父親が造りあげてきた会社の経営資質は、すでに備わっているはずです。ただそれを、どうしたら自覚できるかの問題なのです。
 ある地方都市の寝具製造販売会社に、二代目を約束された専務がいました。大学を卒業して、大手の同業他社で五年ほど働いた後、父親が経営する会社に帰って来ました。入社して専務職を受けるまでは、後継者としての定まった道を、何ら疑問を持つことなく受け入れてきました。仕事はできるタイプで、先輩や仲間からの評価も高く、本人も後継者としての自信と自覚は十分にできていました。
 専務となって間もなく、後継へ向けた下地作りとして、いろいろなセミナーを受けることにしました。しかし「リーダーシップのあり方」「社長の人間力」「活力組織の社長学」など、社長の重責を認識するごとに芽生えてきた自信が潰えていったのです。
 ちょうどその頃、誘われて参加したのが「経営者モーニングセミナー」でした。これまでに聞いたことのない切り口で、人の上に立つ者の心のあり方に接したのです。
 セミナー後、個人的に相談を願い出ました。講師は「社長学を学ぶことは大切だけれど、それは一般論でしょう。あなたが学ぶべき社長学の先生は、先代であるお父さんですよ。まず為すべきは、先代を尊敬する実践に励むことです。それには経営者として父親としての先代をよく知ることです。自分の人生を先代の目を通して振り返るようにしてください」と言われたのです。
さっそく、その日から実践に取り組みました。すると、これまで各種セミナーで学んだことも併せて理解できるようになり、すっかり自信を取り戻せたのです。
 自己啓発は、感謝の実践によって、生じるものです。私たちは誰もが、共に生活する中で、親の持っている能力を得ていることを忘れてはなりません。その能力を発揮できるか否かは、その恩を自覚して感謝できるかどうかにかかっているのです。

2007年9月18日火曜日

9月18日 モーニングセミナー



本日の講話者は(社)倫理研究所法人局参事の松本和子さんです。
題名は「常識を超える倫理」。

夫婦間においてよくありがちな間違いは、相手方に対して「正義の味方」になってはいけない。言い換えれば「相手の味方」になる。
それが多少間違った行動だとしても、完全に反社会的な行動でないなら、「そんなことをしては世間に顔向けできない。そんなことは正しくない。」と切り捨ててしまうのではなく、相手の話をよく聞いて「お父さん(お母さん)のいうとおりです。思うとおりやってみてください。」と受け入れる。

確かに相容れないこともあるだろうが、まずはお互いの信頼関係を築くことが大切であり、常識論は夫婦間に必要がないことの方が多い。そして倫理は無条件に実践することが必要。
相手を否定することではなく受け入れれば、自ずと道は開けてくる。まずはやってみなさい。
と今日の講話者は語った。

今日の講話題名に合わせたかのように、自社の不思議な体験を語ってくれた副会長の堂脇氏。
ユニークな語り口で明るく盛り上げていただきました。

2007年9月13日木曜日

9月度役員会@Lプラザ

新体制となってはじめての定例役員会がエルプラザにて開催されました。
定例役員会はそのほとんどが倫理研究所および神奈川県倫理法人会からくる書類をもとに、報告事項が中心となります。

また今年度はインターネットを使った情報公開について、神奈川県倫理法人会の下部組織としての公開ではなく、別に稼働しているこの横浜市中央倫理法人会サイトを徹底して差別化、検索結果の高い位置に表示され、ひいては法人会への参加者を募るためにどう周知させていくかということを今後検討していく、と後藤幹事より報告がありました。

2007年9月12日水曜日

今週の倫理(524号)より すべては授かり物、感謝の心で生きよう

茨城県の水戸市に、佐藤宗明という歯科医がいました。この佐藤氏は、知る人ぞ知る名医でした。О氏は若い頃、その佐藤氏の家に出入りをしていて、佐藤氏よりいろいろと教えを受けていたのです。
ある日のこと、О氏は放っておいた虫歯が痛み出して、食事も眠ることも出来なくなりました。とうとう我慢できず、佐藤氏のところに駆け込んだのです。О氏は「先生、おまかせします。何本でも抜いてください」と叫びました。
佐藤氏により手際よく抜歯の処置を受けると、あれほど騒いでいた痛みが嘘のように引いたのです。強烈な痛みが去り、身も心もスッキリとしたО氏は、「あーあ、楽になった」と思わず声を発しました。
そんなО氏を見ながら、佐藤氏は厳しい表情で「あなたは普段、多くの人に純粋倫理の話をしているが、自らの実践は今ひとつだね」と言ったのです。О氏には、その言葉の意味がすぐには理解できませんでした。
佐藤氏はさらに話を続けました。
「私は永年この地で歯科医院をやらせていただき、数多くの人の歯を治療してきた。抜歯の経験も数え切れないほどある。その数多くいる患者さんの中で、ただ一人、忘れ得ぬ人がいる。その人は抜いた歯に深々と頭を垂れ、『なんと私は親不孝者であろうか。大事に使えば一生使える丈夫な歯を両親より頂きながら、自分のワガママのために、このように抜かなければならなくなった。本当に申し訳ない』と詫びたのである」
 そして「その人物に比べ、君はいったい何だ。あー楽になったと、その程度の心境なのか」と指摘したのです。
 О氏は自分の至らなさを恥じるとともに、世の中には想像を絶するような人がいるものだと思いました。今まで自分は、何でも出来ている、解っているという慢心がどこかにあったが、本当は何もできていない、何も解っていないということを、痛烈に思い知らされたのです。
 何事においても、「自分はできている」と錯覚しているところが私たちにはあります。とくに身近なものほど「当たり前」と思っている節があります。口では両親に対して感恩感謝の気持ちを持っていると言いつつ、実際にやっていることはお粗末極まりないレベルです。
物が見える、好きな所へ自由に歩いていける、おいしく食事ができる等々、どれを取っても自分で創ったものは何ひとつとしてないのです。すべて授かりものなのです。自分だけの力で生きてきたと思い込んでいる人間が、あまりにも多くこの世にはいます。
 授かり物であれば、もっと心を込めて大切に扱わなければなりません。見落としているところがないかどうか、もう一度、身近なところを振り返ってみましょう。そして小さな気づきを大切にして、できることから取り組んで見ましょう。必ずや、今までとは少々違う世界が拓けてくるはずです。

2007年9月11日火曜日

9月11日 モーニングセミナー


今日のMSは横浜市議会議長、藤代耕一氏をお招きしての講演です。

横浜市は大阪市に比べ、夜の人口は多いが昼間の人口が少なくその結果、市内消費も税収も少なかった。これでは市の財政に支障をきたすため、もっと多くの人に横浜市内で仕事をしてもらえるよう大企業を誘致しようと動いていて、この成果がすでに現れつつある。
平成18年度からは税収もアップ、平成19年はプラスに転じている。

横浜市は中田市長になって象徴的な仕事といえば、やはりG30である。これは各界から高い評価をいただいている。

これまでの市長は人生最後の仕事という趣が強かったが、中田市長はまだ先のある市長。建設業界などからは箱物行政がほとんど姿を消した関係で現市長は不人気であるが、全体的に見れば行動力もあり、中田市長になってよかったと思っている。。。

と、現在の横浜市について多岐にわたってお話しされました。



セミナー終了後の食事会にも参加していただき、会員の皆さんの市民としての意見をお聞きになっていました。

2007年9月6日木曜日

今週の倫理(523号)より 前向きな言葉が未来を決する

ふだん私たちは、言葉の持っ影響力について、どれくらい意識を払っているでしようか。
言葉は、コミュニケーションの道具としてだけではなく、自分や相手の心に強く働きかける力を有します。ちょつとした一言が、社員をヤル気にさせるこどもあれば、意気消沈させることもあります。言葉の使い方が自分や相手の心に与える影響について、今回は考えてみましよう。
とかく人は、ある事柄に対して「これはこのようなもの」と、自分なりに勝手な解釈をしがちです。何かの問題に直面して落ち込むと、言い訳をしたり、自分を責めたり、自滅的な考えを作り上げたりすることすらあります。
そして更に、その解釈を正しいものと思い込むばかりか、〈他人も同じだ〉〈世の中は全てそうなっているんだ〉などと勝手に思い込み、他人にも自分の解釈を知らず知らずのうちに強要することすらあるのです。そのような心の悪循環に陥らないようにするには、否定的な思い込みをしない訓練が重要です。
心理療法の一つに「論理療法」というジャンルがあり、自分の心の中における文章記述を改めることで心を活性化させる方法です。
司法試験に何度も落ちた若者が、「ああ、希望通り弁護士になれなければ、もう将来はおしまいだ」と煩悶しているとします。彼が〈弁護士になりたい…〉という思いを持つのはよいとしても、〈もしなれなかったならば、自分の将来はもうおしまいだ〉と思い込むのは論理的に大きな間違いです。
人生には他の可能性もあるもの。「もし弁護士になれないなら残念だけれど、もっと自分に向いた仕事があるのかもしれない。そっちを選んでおおいに能力を発揮するのもいいじゃないか」という考え方もあり得ます。彼は「弁護士になれない」ことと「もう将来はおしまいだ」という、論理的に結びつく必然性などない二つのセンテンスを、勝手に結びつけているのです。商売の場合であれば、「景気が悪い」という事実と「もうダメだ」という思いが、論理的に結びつく必然性もないでしょう。
論理療法の考え方が示す大事なことは、「自分勝手に可能性を無にしてしまう」という誤りです。「世の中はいろいろな悪があるが、最大の悪は可能性を奪うことだ」とは、心理学者であり哲学者のエーリッヒ・フロムの言葉です。
自分からも、そして相手からも可能性を奪ってしまうかもしれない言葉として注意したいのが、「どうせ」という一言です。「どうせ、オレなんか才能がないんだ」「どうせ、お前なんかに言っても分かりっこない」「どうせ、この先も景気がよくなる
はずがない」etc。
職場や家庭から、そして日常の自分の頭の中からも、この「どうせ」という言葉を捨ててしまおうではありませんか。経営者やリーダーの口から「どうせ」が出なくなるだけで、職場はずっと明るくなるでしよう。自他の可能性を奪わないことから、未来への光は見えてくるのです。

2007年9月5日水曜日

9月4日 モーニングセミナー


今日は上村新会長、以下新役員の就任後、第一回目のMSです。
上村会長は「丸山敏雄先生の教えを忠実に守り、倫理を学べる会運営をしていきたい。」と挨拶されました。

今年度は専任幹事の大役を鵜飼氏が引き受け、会の運営にあたります。


みなさまお楽しみに。(^.^)