2009年7月31日金曜日

今週の倫理 (623号)より 一人でもできる 活力朝礼を実践しよう

前嶋です。いつもお世話様です。

梅雨明けした後も雨の日が続き、九州・中国地方では大雨による土砂災害が発生し、群馬県館林では竜巻により被害も出ています。異常気象が不気味ですね。横浜市の中田宏市長の突然の辞任は、何なんでしょうか?
経済も政治もはっきりしないもやもやの状態が続いており、不安感が払拭されませんね。

早いもので7月も終わり夏真っ盛りになりますので、お身体に気をつけて頑張って行きましょう。

先週のモーニングセミナーは、小峯助産院・小峯千恵美様、(株)フジックスハートフル・渡邉泰介様の会員スピーチで、23名の参加でした。
小峯さんは千人以上の赤ちゃんを世話したそうです。次回はこういう話を詳しく聴きたいですね。
渡邉さんは、リフォームの現場が忙しい中を駆け付けてくれました。これからも早起きに努め出来る限りモーニングセミナーに参加してくれるそうです。

では、今週の倫理をお届けします。

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倫理法人会は朝礼の推進に力を入れています。会社毎に内容が変わることはありますが、朝礼の意義はどのような業種・人数であっても変わりがありません。

 保険代理店業を営むN氏は、朝礼に興味がありませんでした。社員を雇用していない自分には、朝礼は関係がないと思っていたからです。そんな氏がある時、経営者モーニングセミナーで「朝礼は一人でもできる。一人でもやったほうが絶対にいい」という話を聴きました。「よし、自分もやってみよう」と思った氏は、『職場の教養』の最終頁に記載されている「本誌活用の手引き」に従って〔一人朝礼〕を始めました。

「開始十秒前です。姿勢を正して下さい」を経営者モーニングセミナーの進行のように元気に発声して、朝礼がスタートします。 『職場の教養』の輪読はできませんが、本文を声に出して読み、感想も声に出して述べます。「今日の心がけ」まで一人で斉唱して、「以上で朝礼を終わります。ありがとうございました」と言って締めくくります。朝礼が終わり、業務がスタートします。

N氏はその後、試行錯誤を経て、次のような流れで一日のスタートを切っています。
朝礼をする場所は、神棚の前。横には姿見の鏡を置いて開始します。

◆開始~朝の挨拶
「開始三十秒前です。姿勢を正して下さい」
(鏡で服装確認し、気をつけの姿勢で待つ)
「○月○日○曜日、ただ今よりNコンサルタント朝礼を始めます」
(神棚に意識を向けて)
「N家のご先祖様、おはようございます。
(神棚を象徴に、関係者を思い浮かべて)
取引先の皆様、おはようございます」

◆挨拶実習
 続いて「挨拶実習」を一人で行ない、鏡で姿勢をチェックします。

◆職場の教養
 一人で本文を読んだ後、感想発表・今日の心がけ斉唱を行ないます。

◆誓いの言葉~終了
「只今より、実践の決意を誓いましょう。『今日一日、朗らかに安らかに喜んで進んで働きます』。以上で朝礼を終わります」
 一人朝礼を始めてから一ヵ月が経ちました。それまでは出社時間が曖昧でしたが、朝礼を始めてから一定の時間に職場に着いている自分に気がつきました。それから半年後の現在、N氏は次のように言います。
「一人で仕事をしていると妥協しやすく、公私のケジメがなかなかつきませんでした。今は朝礼開始時間を決めて、一日のスタートを切っています。以前は机に座った後にも仕事に気持ちが入りにくかったのですが、朝礼でケジメをつけると、『今から仕事だ』という切り替えができるようになりました。そのためか、一日の働きの密度が濃くなったように思います」

 朝礼の第一義は「仕事のスタートにあたり、ケジメをつける」ことにあります。
「今日の誠意とエネルギー」は今日中に出し切り燃やし尽くしてこそ、明日は一層豊かに湧き出てくるもの。それが繁栄の基盤です。そこに人数の多少は関係ありません。
〈今日一日を完全燃焼する決意〉を固めて、一日のスタートを切りましょう。

2009年7月28日火曜日

7月28日 モーニングセミナー 「会員スピーチ」


本日のモーニングセミナーは小峯助産院の小峯千恵美さんと(株)フジックスハートフルの渡邉泰介さんの会員スピーチです。

小峯さんのスピーチから。

倫理法人会に入会して4ヶ月、田村副会長の勉強熱心さに感心、早朝の勉強会は辛いが、子供のお弁当を用意してから参加するという信念を持って参加しているという小峯さん。

助産院の仕事を始めたのは、看護士(内科志望)の勉強を続けているうち、命の神秘さを学び、助産院の良さをもっと知ってもらおうと思うようになったから。とお話しされました。



渡邉さんのスピーチ。

TOTOで働いていた経験を生かし、鶴見区で3年前から介護支援専門のリフォーム専門会社として活動、バリアフリー、ユニバーサルデザインのリフォームを提案しています。

現在は多忙のためモーニングセミナーに参加できないことも多いが、職場の教養は会社の朝礼で活用している。とおっしゃっていました。

お二人ともお忙しい中、明るく楽しいスピーチをありがとうございました。

2009年7月24日金曜日

今週の倫理 (622号)より 死を目前にした時、進むべき答えが見えた


「お客様に良いものを提供したい」「消費者に納得のいくものを購入していただきたい」。そのような経営者の情熱は、日本を「ものづくり大国」に押し上げていった大きな要因の一つといえます。

青森県中津軽郡出身の農業従事者・木村秋則さんもその一人です。リンゴの無農薬・無肥料栽培に挑戦したのです。ところがリンゴは非常に病害虫がつきやすく、農薬なしには栽培ができないといわれる果物です。これまでにも無農薬栽培に挑んだ者はいました。しかし安定した収穫が得られず、経済的に三~五年が限度で成功にはいたりません。先駆者のいない茨の道とは分かっていましたが、「自然農法で安全なリンゴを消費者に届けたい」という思いが強くなり、厳しい道へと足を踏み入れたのです。

ところが無農薬・無肥料栽培は想像以上に厳しく、十年近くの間、リンゴの収穫がまったくなくなります。そのため収入も激減、子どもたちは一個の消しゴムを三つに分けて使うことまでありました。
さらには無農薬栽培をしていることから、近隣の農家から「木村の畑から病害虫がでるのでは」と非難されるようになり、村八分のような状態にまでなるのです。

「自分の思いで始めたリンゴの無農薬栽培が家族や近隣の人まで苦しめている」と、経済的にも精神的にもどん底の日々を過ごし、思い至った結果が「死んでお詫びをするしかない」という答えだったのです。そしてロープを手に持ち、山の奥へ奥へと歩んでいきました。頃合のいい木にロープを掛けようとしたところ、勢いあまって飛んでいってしまいました。すぐに拾いにいくと、突然、目の前に立派なリンゴの木が現われたのです。しかしよくよく見ると、それはドングリの木でした。間近で観察すると人の手入れがまったく施されていないにもかかわらず、虫の被害がなく、枝葉は見事に生い茂っていました。土はとても柔らかな感触でした。その時、直感的にこの自然な状態が「答え」だと分かったのです。

それまでは木のことしか考えていませんでした。改めて根っこについて考えると、雑草があることで土の温度が一定になり、木の生育には好条件だったのです。それをヒントに改良を重ね、木村さんは無農薬・無肥料栽培に見事成功したのです。

倫理研究所創設者の丸山敏雄は、その著『万人幸福の栞』に次のような一文を遺しています。

  古人は言った、「万象是我師(ばんしょうこれわがし)」と。まじめにこれに師事して尋ねる人には、正しく答えてくれる。昔の人は天を父、地を母とよんだ。父母はその子の求めには、何物をも惜しまず与える。与えられぬのは、ま心からこれを求めないからである。(丸山敏雄『万人幸福の栞』P42)

普段何気なく生活していると、見落としてしまうことは多々あります。ところがビジネスチャンス、成功の秘訣は日常生活の中に潜んでいるものです。常にアンテナを張り巡らせ、一つの物事に邁進することで答えは必ず現われてきます。進むべき道は狭く、厳しくとも、「打つ手は無限」であり、成功は必ず用意されているのです。

2009年7月21日火曜日

7月21日 モーニングセミナー 「もてもての老後づくり ~元気に生きるノウハウの原則~」


本日の講話は、生山匡医学博士のご出席をいただきました。

生山先生は、現在、山野美容芸術短期大学美容保健学科教授であり、積極的な健康づくり、疾病の予防、行動変容による健康教育。特に、運動習慣、食習慣、冷水浴を通しての①健康的な肥満の改善と予防②生活習慣病(成人病)の予防・改善等を専門に研究・指導していらっしゃいます。

「若い頃でしたら容姿を気にすることでモテモテになれたかも知れませんが、モテモテの老後ということになると、やはり健康であることが一番です。健康になるにはグッズを使うことや治療なども有効ですが、より良くなろうとするなら、生活習慣を変えることしかありません。」

生山先生の資料(厚生労働省の資料)によると、日本人の平均摂取カロリーの推移は、1975年の2226キロカロリーをピークに下がり続け、2005年には1904キロカロリーとなり、この数値は1946年頃の摂取カロリーとほぼ同じ値となっています。

つまり、食べ過ぎない努力やカロリーオフの商品は増えたにもかかわらず、日本人の体重は増え続けているのです。

これは、毎日が便利すぎる弊害、慢性的な運動不足によるものであると指摘、意識して運動をしなければならないといいます。

特に、衰えやすい筋を老化防止することが若さを保つ秘訣であると先生は言います。

具体的には、背中側、上腕三頭筋(上腕の裏側)と大腿二頭筋(太ももの前側)の筋を鍛えること。

また、鍛えるときのキーワードは「縮」。

筋肉はストレッチで伸ばすといいますが、実際に筋繊維のできることは縮めることだけ。

どこが縮んでいるかを意識して動かすことが重要なのだそうです。

また、このほかにも動物のように空腹のあとに運動(動物はおなかがすいたら狩りをする)、その後食事をとってから睡眠というサイクル。こうすることが、消化器系を正しく機能させることにつながり、実は理にかなっているのだそうです。

目から鱗の話をたくさんお聞かせいただいたので、さっそく実践してみたいと思います。

2009年7月17日金曜日

今週の倫理 (621号)より 内なる信を培い 生きる力を養おう


昨年秋以来の経済の大変動により、中小企業を取り巻く環境は、先の見えない状態が続いています。他方、政治の混乱や教育の疲弊など、不安と混乱が社会に渦巻き、不信の時代ともいえる様相を呈しています。
「信」とは一般的に、人間相互において欺かないことや、疑わないことを指します。信用といえば、確かだと信じることでしょうし、信念といえば、自らを強く信じることといえるでしょう。
今日のリーダーに求められるのは、まず自分自身を信じ抜く力をどう磨いていくかです。自らの力に不安が募れば、自信は揺らぎ、リーダーとして的確かつ果敢な決断はできなくなります。
 
「事をなすの根本の力は信念である。決心の強いか弱いかによって、仕事の成否が決まるが、決心ということは、今までなかった事を、こうしようと信念を定めることである」
(『万人幸福の栞』105ページ)

このように、まず心を先行させるということが大切です。決心という形でしっかりと心を定めることは、行動につながるものです。ただ、強引に何でも信じさえすればよいというわけではありません。大自然の理(純粋倫理)に則した信を培うことで、「信は力なり」といわれるような願望実現への大きな力となるのです。さらに、自らを取り巻く人間関係における信用や信望、信頼も大切になります。

「人は、縄を持っては、その肉体しばる事はできるが、その精神をくびることは出来ぬ。人の心をかなしばりにしばりつけるのはただ一つ信(まこと)あるのみである。「士は己を知る人の為に死す」(『史記』)と言った。知るとは信ずることである。心の底から信じてくれる人には、嘘をつくことが出来ぬ。信ずる人をごまかすことは出来ぬ」
   (『万人幸福の栞』105ページ)

厳しい時代だからこそ、企業の内外における相互の絆の強さがものを言います。まず自らが相手に対する「信(まこと)」を磨き高めていくことが求められるでしょう。対外的な信用をさらに高めつつ、企業内部における絆をより強固なものにしていかなければなりません。
 先行きが不透明な時代の中で、人は憂え、心配し、不信の中にさまよいやすいものです。しかし、倫理法人会で学ぶ経営者は、総じて明るく前向きです。まさにそこが最大のポイントなのです。
憂えるの反対は喜ぶことだといいます。今こそ、トップリーダーとして、毎週の経営者モーニングセミナーを中心とした学びの中で、内なる無限の力としての信を培い、喜んで生きるコツを体得していこうではありませんか。

2009年7月14日火曜日

7月14日 モーニングセミナー 「最近の中国とタイ王国とのビジネス交流」


本日はフォーエバーダイヤモンド(株)代表取締役 富田隆夫氏の講話です。

最近、中国やタイなどへビジネスで出かけることが多い富田氏は、日本で見る外国人像というものより、実際は違うことが多いようだとお話しされました。

「たとえば、中国には政党は共産党員しかいないと思っていらっしゃる方も多いと思いますが、今中国には政党が8つあり、共産党員は46パーセント。また、近年では共産党員ではない人たちの方が出世しているようです。」など、普段聞けないエピソードをお聞かせいただきました。

また現在、富田氏は神奈川県倫理法人会の第五地区地区長も兼任されております。

「倫理の普及というのは、ただ単に拡大というのでは意味がありません。倫理的な体験を自分がしてきて会社が家庭が良くなったと勧めるのが本当です。そのためには自ら行う小さな実践が重要です。たとえば食事のあとに奥さんにおいしかったよ。と一声かけて意識的にコミュニケーションを取るといったことからでも良いと思うのです。」とお話ししていただきました。

2009年7月10日金曜日

今週の倫理 (620号)より トップの責任は重い 全ては自身の肩にあり


経営コンサルタントО氏の顧問先のひとつにK製菓があります。このK製菓とは永い付き合いで、K製菓の発展と共にО氏の事務所も大きくなりました。創業時のK製菓は人も物も金も無く、当然ながら信用も実績も無く、あるのは社長のヤル気と夢だけ。いつ潰れてもおかしくない中、数多くの危機を飛躍のバネにして今日まで存続してきました。

 創業八年目を迎えた頃、たまたま売り出した新商品が爆発的に売れ、それまで零細企業であったK製菓を中堅企業へと押し上げていきました。今までの設備では注文に追いつかず、工場の生産ラインを増やしに増やし、拡張に拡張を重ねていったのです。

 急激に拡大路線を走るようになったため、創業時の生え抜き社員だけでは人手が足りず、毎日のように中途採用を繰り返し、ともかくも熱気のある会社になったのです。
 そのような中で問題が起きました。大手から中途採用で引き抜き、営業部長のポストに就いた人物が、お客様から集金した150万円のお金を着服しようとしたのです。 帳簿と手持ちの現金をつき合わせたところ、150万円のお金が合いません。いろいろ考えたあげく、営業部長に「集金して出し忘れている金はないか」と質したところ、三日後に「鞄の奥にしまい込んで忘れていた」と言って持ってきたというのです。
О氏は後日、社長よりその話を聞かされ、即座に「社長、営業部長に対してどのような処置を取られたのですか」と尋ねたところ、社長は「人間は時々間違いをやるが、誤解されるようなことはするなと厳しく注意した。本人もいたく反省をしているので、今まで通り働いてもらっている」と言うのです。

 О氏は「今回の件は出来心ではなく、明らかに確信犯です。即座に本人に辞表を書かせるように」とアドバイスしました。しかし社長は「Оさん、一度の失敗でそれはないだろう」と逆に言い返されたのでした。

 それから三年後、同じ営業部長が1600万円の使い込みをしたのです。社長は「恩をあだで返しやがって」と声を荒らげ、怒鳴り散らし、警察に突き出せと騒ぎ立てました。

 この話を小耳にはさんだО氏は、さっそく社長のところへ出向きました。「社長、営業部長のところへ詫びに行きましたか」と声をかけたところ、顔を真っ赤にして「何で俺が詫びるんだ。俺は被害者だ!」と叫ぶのです。

 そこでО氏は「確かにあなたは被害者ですが、1600万もの穴が空けられるまで気づかなかった、ずさんな経理システムの最高責任者でしょう。社長のあなたがしっかりしたシステムを構築してさえいれば、彼も罪を犯さずにすんだのに、ボンクラ社長のボンクラ会社に入社したために彼も罪人になった。まったく気の毒な話です」と言い切りました。

さらに「罪は罪として法で裁けばいいが、トップとしての自分が至らなかったことを詫びるのも、人のみちです」と諭したのです。 これを契機に、K製菓は名実ともに中堅企業にふさわしい会社になっていきました。
トップは企業内で起こる全ての事柄に対して、たとえ自分が指示・命令を出していなくとも、トップの自分に全責任があるという気概で取り組むことです。間違っても、他人のせい、社会のせいとして、自己の責任から逃げるようであってはならないのです。

2009年7月7日火曜日

7月7日 モーニングセミナー 「出会い」


本日のMSは倫理研究所 法人局普及事業部 首都圏方面長 山口秀雄氏の講話でした。


人生は出会いの連続です。人や物との出会いを始め、様々な出会いがあります。
いろいろな出会いを通じてこそ、人は大きく成長するものです。
「わが社は何のために仕事をするのか」という使命を自覚し、トップ自らが良い出会いを求めて、自分自身を磨き高めていきたいものです。

八女市の活力朝礼の事例などを挙げて、わかりやすく後講話いただきました。

2009年7月3日金曜日

今週の倫理 (619号)より 人材を人財に変える「4つの魅力」


経済指標の一つである有効求人倍率が昭和38年以降最低水準を更新しています。経営者の中には、この度の不況に喘ぎ「工場閉鎖」「派遣切り」「正社員の賃金カットや解雇」を余儀なく選択された方も少なくないでしょう。

 一方、「優秀な社員から辞めてしまう」「定着率が悪い」「社員にヤル気がない」など、従業員の問題で悩んでいる企業もあります。

 経営者は「好不況に左右されず、永続的に繁栄する企業」を目指していますが、現実はそう簡単に思い通りにはなりません。どうしたら実現するでしょうか。

 まずは経営者が自社の目的(存在意義や社会貢献)を明示し、そこに到達するための方針や方向性と目標を提示することが第一です。これらを全社員と共有できるよう浸透を図るとともに、具体的な方策を徹底的に実践する集団になるよう、常に向上し続けていると実現可能となるようです。

 しかし、これらを理解・共有して仕事に勤しむような「よい人財」に恵まれない企業は、いつまでたっても経営者の目指すような会社にはなり得ません。 どうしたら「よい人財」が得られるでしょうか。一つの方策として、給与や休暇など待遇を同業他社より格段と引き上げ、外部からよい人財を引っ張ってくるヘッドハンティングがありますが、これも定着までには繋がらないことも多く、経営そのものを圧迫することになりかねません。

 給与を多く支給しても、その人がこちらの望む働きをするとは限りません。例えば、メジャーリーガーのイチロー選手と同等の潜在能力を持った人に、イチロー選手と同じ年棒で契約すれば、果たして同じ働きが出来るでしょうか。答えはノーでしょう。本人の意思やモチベーションの高揚持続には、お金の魅力だけでは埋められない、チームカラーと呼ばれる土壌が不可欠だからです。

 人が組織に定着して能力を発揮するには、①〔仕事の魅力〕仕事の中身そのものが好き。仕事を通して成長できるなど。②〔理念の魅力〕会社の将来のヴィジョンに共感できる。社会貢献を実感できるなど。③〔人材の魅力〕社風が自分にあう。社員の気質が自分と似ているなど。④〔特権の魅力〕個人の多様性が尊重される。伝統・格式・ブランドがあり知名度が高いなどの「四つの魅力」が複合して存在する必要があります。
 経営者は、現状が苦しければ苦しいほど、自社の目的(文書化していなければ成す好機)に現状が則しているかどうかを再点検してみましょう。「四つの魅力」は、ここから生まれます。

苦しい時こそ、経営者自身が原点に立ち返り、未来の方向性と現状の具体策を見つめなおす好機と捉えることから始めるのです。

企業は人なりと謂われます。企業土壌に経営者自身の思考や言動が大きく影響する所以です。週に一度、モーニングセミナーに参加し、学習した純粋倫理(繁栄する心の生活法則)を実践して、人間的魅力を磨き高める姿勢を持ち続けることが肝要です。同時に、朝礼時に自社の目的や理念と方向性を「口で言う、耳で聞く、目で見る」を日々繰り返すと、やがて全社員の血肉に浸透していきます。

よき経営者は、よい企業土壌を生み、よい人財を育みます。こうした経営者を倫理法人会の諸活動で増やすことが、真の日本経済活性化に繋がるのです。