2009年7月17日金曜日

今週の倫理 (621号)より 内なる信を培い 生きる力を養おう


昨年秋以来の経済の大変動により、中小企業を取り巻く環境は、先の見えない状態が続いています。他方、政治の混乱や教育の疲弊など、不安と混乱が社会に渦巻き、不信の時代ともいえる様相を呈しています。
「信」とは一般的に、人間相互において欺かないことや、疑わないことを指します。信用といえば、確かだと信じることでしょうし、信念といえば、自らを強く信じることといえるでしょう。
今日のリーダーに求められるのは、まず自分自身を信じ抜く力をどう磨いていくかです。自らの力に不安が募れば、自信は揺らぎ、リーダーとして的確かつ果敢な決断はできなくなります。
 
「事をなすの根本の力は信念である。決心の強いか弱いかによって、仕事の成否が決まるが、決心ということは、今までなかった事を、こうしようと信念を定めることである」
(『万人幸福の栞』105ページ)

このように、まず心を先行させるということが大切です。決心という形でしっかりと心を定めることは、行動につながるものです。ただ、強引に何でも信じさえすればよいというわけではありません。大自然の理(純粋倫理)に則した信を培うことで、「信は力なり」といわれるような願望実現への大きな力となるのです。さらに、自らを取り巻く人間関係における信用や信望、信頼も大切になります。

「人は、縄を持っては、その肉体しばる事はできるが、その精神をくびることは出来ぬ。人の心をかなしばりにしばりつけるのはただ一つ信(まこと)あるのみである。「士は己を知る人の為に死す」(『史記』)と言った。知るとは信ずることである。心の底から信じてくれる人には、嘘をつくことが出来ぬ。信ずる人をごまかすことは出来ぬ」
   (『万人幸福の栞』105ページ)

厳しい時代だからこそ、企業の内外における相互の絆の強さがものを言います。まず自らが相手に対する「信(まこと)」を磨き高めていくことが求められるでしょう。対外的な信用をさらに高めつつ、企業内部における絆をより強固なものにしていかなければなりません。
 先行きが不透明な時代の中で、人は憂え、心配し、不信の中にさまよいやすいものです。しかし、倫理法人会で学ぶ経営者は、総じて明るく前向きです。まさにそこが最大のポイントなのです。
憂えるの反対は喜ぶことだといいます。今こそ、トップリーダーとして、毎週の経営者モーニングセミナーを中心とした学びの中で、内なる無限の力としての信を培い、喜んで生きるコツを体得していこうではありませんか。

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