2008年7月11日金曜日

今週の倫理 (567号)より 倫理経営者として 世を照らす光たれ

昨今の国内における社会情勢を鑑みると、人としてあるまじき行為が巷で横行し、企業においては法令無視をはじめ、組織ぐるみの虚偽や隠蔽が常にマスコミの標的となって世間を賑わせています。
 さらに、原油や食材など原材料価格の高騰や建築基準法の改正の影響などにより、廃業せざるを得ない中小零細企業も増えつつあります。今後の日本を支える経済は、霧に包まれた時代に差し掛かっているといっても過言ではありません。

 企業は「勝ち残る企業」「生き残る企業」「潰れる企業」の三種類だといわれます。中でも、「勝ち残る企業」は全体の5%足らずとされ、大多数の企業は日夜、喰うか喰われるかの生き残りをかけた壮絶なサバイバルを展開しています。

 しかし景気がどんなに悪くとも、絶妙の経営感覚をもって変化の波に乗り続けて成長・繁栄を手にしている企業は存在します。『会社の品格』(小笹芳央著、幻冬舎)に紹介されている、成長・繁栄する企業や経営者の五つの源泉を紹介しましょう。
 
一、専門性(企業として経営者としてある特定の分野に長けている、ある分野で高い評価を得ている、メンバー以上に経験が豊富である。そういった専門的な技術や資格、知識、情報をもっているかどうか)

二、人間性(経営者として人間的魅力、身体的魅力、人間的資質など、人間観の構築にどれだけ努めているかどうか)

三、返報性(社員が「この社長の期待に応えたい」「この会社の発展に貢献したい」という強い感恩と報恩の情を、どれくらいもっているかどうか)

四、一貫性(経営者として言行一致の姿勢を貫き続けているかどうか。また、経営理念や社是・社訓など「何のために」という大義や方向性を企業として持ち続けているかどうか)

五、厳格性(経営者として信賞必罰を妥協や迷いなく実行できているかどうか。自分に対する厳しさを持っているかどうか。社内にいい意味での緊張感や空気を作っているかどうか)

 ここに紹介した成長・繁栄する企業や経営者の五つの源泉をすべて取り入れるということは、なかなか難しい部分があるかと思われます。しかしどれか一つでも、経営者として企業として取り組んでみることで、現況の打開策に活用してみてはいかがでしょう。

倫理とは、人間間の道理や根本原理を指しますが、倫理法人会の会友は、その倫理に基づいた経営のあり方、経営者としてのあり方を学ぶことにより、地域経済ひいては日本経済を支えることを一つの目的として活動を展開しています。

 明るさの乏しい現代において、太陽のような力強い熱気と八方を照らす光をもった経営者であり続けたいものです。

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