2011年4月5日火曜日

4月5日MS 『家を建てるときの間違った常識』@横浜市中央


 本日の講師は静和建物(株)代表取締役 玉木 光一氏、S24年、高知県生まれ。
静和建物は南区永田北にある、木造注文住宅で定評のある地域密着の工務店。本会会員で、会報「太陽」3号に訪問記事を掲載させていただいた。

 住宅に関して色々な情報がインターネット等で発信されているが、その中には間違った常識がかなり混じっているので、少しでも皆さんの参考となることを話したい。住宅を建てるときの基準は、以前の住宅金融公庫から発行されている「木造住宅工事仕様書※」に拠っている。年々厚くなり、矛盾した部分もかなり含まれてはいるが、住宅を建てるときのバイブルのようなものです。自分の家を建てる際はこれを勉強して役立てるのがよい。今日はその中で一般常識とかなり違うものだけを話します。

 最初に、土台の木部にはシロアリ消毒が必要と考えている人がほとんどだと思いますが、標準仕様書にあるように、ひのき・ひば等の堅い材種を用いれば防腐・防蟻措置は不要です。実際には95%はつが等の柔らかい材種のため、防腐・防蟻処理材を用いている。
 講師は直径12mmと16mmの2種類のアンカーボルト(コンクリートの基礎と土台とを緊結するボルト)の現物を回覧された。見た目にも、手にとった重さも全く違うが、標準仕様書にはどちらでも可と併記されている。実際にはほとんどがコストの低い12mm材が使われているが、強度が不十分な場合も多い。今回の津波被害をみても、住宅の基礎部分だけが残されているのは締結強度不足による。ここは併記ではなく、16mmに統一すべきとのこと。
 また、北米のツーバイフォー工法の建物は、木口の厚さが2インチ、幅が4インチの角材を用いた枠組パネル工法。壁や床などの「面」で建物を支えるが、その「面」をかたち作る枠組みに2×4材が多く使われている。日本の多くの工法では枠組にベニアを打ち付けているだけなので、「面」強度が十分とは言いがたい。
 コンクリート打設方法で、べた基礎は布基礎より多少はましではあるが、本当は不十分。

 当社ではリフォーム工事はやらない。理由は基礎をきちんとしていない建物では責任が持てないため。
 その後、質疑応答の時間が設けられ、地震に強くするにはなど、活発な交換が行われました。

 健康的で住みやすく長持ちする本物の住宅づくりを志向している玉木氏の強い信念を、穏かな話しぶりの中に窺い知ることができました。

 ※過去の木造住宅工事仕様書(参考)
http://www.sumai-info.com/spec/wooden.html
    最新のものは有料です。

 広報委員長 萩野宏樹

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