2009年5月15日金曜日

今週の倫理 (612号)より 決然と腹をくくり徹底した手を打つ


沖縄県宮古島には、次のような方言があります。ブリユシナンマイ(よせてくる波さえも)、アマイズミィライ(笑っているようにさえ見える)。

宮古島には日々、様々な波が寄せてきます。晴れた日の穏やかな波ばかりでなく、台風のような嵐の日の荒波もあるでしょう。しかし、どのような波であっても、さも笑っているかのように見えるということです。
つまり、物の捉え方は自分次第という意味。どのような波であっても、笑っているのか、怒っているのか、それをどのように捉えるかは、自分次第だという方言です。

昨年の米国発の金融危機の影響を受け、百年に一度の大不況と言われる状況が続く今日、不況という波はどのように見えるでしょうか。怒っているのか、笑っているのか。苦しい波だと嫌っていると、その波はそのように見えるでしょう。このような波は最高だと喜んで受け止めれば、そのように見えるでしょう。
倫理法人会で毎週開催されている「経営者モーニングセミナー」の基本テキスト『万人幸福の栞』第二条「苦難は幸福の門 苦難福門」に次のような一説があります。

「百尺竿頭、更に一歩を進めて、苦難は、生活の不自然さ、心のゆがみの映った危険信号であり、ここに幸福に入る門があることがわかってきた。」(『万人幸福の栞』二九頁)

百尺竿頭(ひゃくしゃくかんとう)とは、百尺もある竿の先端を意味します。百尺の範囲を常識とするならば、その百尺の更に先に常識を超えた世界があるということです。常識の範囲内で考えれば、「苦しいことは苦しい」「嫌なことは嫌」です。しかし、その常識を超えた時、苦しみは苦しみではなく、寄せてくる波ように笑って見えることとなるのです。自分の捉え方次第で、いかようにも現象は変わってくるのです。

それにはまず、現状をしっかりと受け止めるべく「腹をくくる」こと。苦しい時こそ現状をしっかりと受け止めることが大切です。経営は山あり谷あり、平坦な道ばかりではありません。ならば「苦しいことは当たり前」と割り切ってしまうことです。

腹が決まったら、次は状況確認。時には新たな手を打つことも必要です。商品戦略や販売方法など、時代が進むにつれて、変えていかなければならないこともあるでしょう。世の中の変化に合わせて、変えられるものは変えていく。旧態依然では時代に取り残されてしまいます。これまでの手法に捉われず「新たな手を打つ」ことも大切なのです。
更には、「徹底してやる」こと。徹底とは、底まで貫き通ること、残すところなく行き届くことをいいます。自分がどこまで徹底しているのか、逆に、やっているつもりになってはいないかを、冷静に振り返ってみましょう。
さあ、この百年に一度の大波を、皆さんはどう捉えますか。

0 件のコメント: