2009年8月21日金曜日

今週の倫理 (626号)より 後継者問題により 自身を振り返る

前嶋です。いつもお世話様です。

衆議院総選挙が公示されました。政権交代はあるのでしょうか?

全国高校野球が真っ盛りです。皆さんの応援する学校は勝ち残っていますか?
神奈川県代表の横浜隼人高校は、残念ながら敗退してしまいした。

夏なのに新型インフルエンザがまた流行り出し、死者も出ていますので予防に心
掛けて下さい。日中は暑いですが、朝晩は大分冷え込む日もありますので、お体
に気をつけて頑張っていきましょう。

先週のモーニングセミナーは、小田原市倫理法人会・会長脇純廣様の「継続は力
なり “生きがい”は財産であり宝物」で、22名の参加でした。
人生のターニングポイントが3回あり、独立と同時に倫理法人会に入会し、以来
モーニングセミナーへの出席を続けているそうです。
何か一つでいいから継続する事が大切だと気づかされました。

では、今週の倫理をお届けします。
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中小企業の抱える課題の一つとして、後継者問題があります。『中小企業白書』によれば、後継者がいないために廃業する企業は、年間七万社にのぼり、それによって毎年二十万人以上の雇用が失われ、この数字は年々増加しています。その要因のひとつとして、親族内継承が困難になったことが挙げられます。親族が引き継がない理由として、事業に将来性・魅力がない、また引き継げない理由として借入金の返済や後継者のやる気のなさなどがあります。

神奈川県で四十五年間にわたり、食品加工・生産・販売会社を営むY社長は、二〇〇四年には県下の優良工場に選ばれるなど、年々業績を上げてきましたが、当時、危急の問題として後継者問題がありました。息子を継承者にと考えていたY社長にとって、息子が学校を卒業し、入社したことは非常に嬉しいことでした。しかし数年が経過すると、入社当時の意気込みはなくなり、次第に遅刻や無断欠勤が目立つようになり、社員からの信頼を得られない状況となりました。忠告の言葉にも反応はなく、言えば言うほど、やる気をなくしていったのです。

腹に据えかねたY社長は、息子に対し進退を問うと共に、別会社への出向をも伝えました。しかし現状は変わりません。状況を危惧したY社長は、倫理研究所のN研究員に倫理指導を受けることにしたのです。
N研究員は相談の内容を聞いた後、「まずは息子さんが会社にいて、出勤してくれることに感謝することだ」と語ったのです。この一言にはハッとさせられました。〈財産や資産や経営権を譲ってやるのに何の不満がある。ありがたいだろう〉と思っていたことに、また息子に対して感謝の気持ちがなかったことに気づかされたのでした。これまで息子に対して高慢に接していたことを反省し、自分の子だからこそ立派な経営者になれると信じることにしたのです。

その後Y社長は、率先垂範に磨きをかけると共に、妻への実践を徹底して行ないました。息子から仕事の相談をされても、今までは説教じみたことをしていましたが、「信じたとおりにやってみるといい」という言葉が出せるようになったのです。時には、息子からの曖昧な返答や当たり前の質問に対してグッと堪える場面もありましたが、己を省みつつ励ますようにしたのです。

この頃から息子の言動が変わってきました。報告・連絡・相談が密になり、率先して働き、会社を引っ張っていく自信と覚悟が、その姿に現われてきたのです。その後、少しずつ仕事を譲渡して約三年、この不景気の中で創業以来の最高売り上げを記録したのです。あらためてY社長は、息子が後継者としての実力を発揮できなかった要因は自分にあったことを深く感じたのでした。

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純粋倫理の創始者・丸山敏雄は「親はその子にすべてを与えてなんの要求も持たず、無条件の施与であります。権利・義務をはるかに超えた、絶対愛の抱擁であります。ほんとうの愛は、なにも求めない、責めない、強いない。ただ涙の念願があり、血の祈誓があります。親の純正・無垢・絶対愛の抱擁によって、子は個性のままにのびのびと成長いたします」と語っています。

「親の対応姿勢が変われば、子は変わる」ということを忘れたくないものです。

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