2011年2月15日火曜日

2月15日MS 企業リスクとマネジメント@横浜市中央

 本日の講師は、企業リスク研究所 代表の白木 大五郎氏。昭和16年、福岡市生まれ。鎌倉市倫理法人会会員。
 日立製作所に、人事・労務畑を中心に42年間勤務。日立グループの従業員は約32万人で、家族などを含めると日本の人口の100人に1人は関係者ということになる。したがって大きな事件や事故があると、関係者が含まれていることが多い。
 退職後、「企業リスク研究所」を設立し代表となり、研修・講演活動などをしている。また生まれ育った博多で、月1回の経営塾「白木塾」を開いている。

 企業リスクは近年大きく変化しており、多様化・巨大化・複雑化してきている。そして様々な企業リスクの中で、最近特にコンプライアンス(法令順守)が叫ばれ、法令違反が原因でつぶれる企業も増えている。
 人にとっては「生きている」ことがリスクそのものであるように、企業にとっての最大のリスクは「経営する」こと。人・物・金・情報のすべての経営資源がリスクのもととなる。

 リスクマネジメントの要諦はリスクは必ず発生するものとして、起こったリスクの影響を最小限に抑えるよう、「トップ陣頭・正直・迅速」に組織的に対処すること。初期対応の良し悪しが当に企業の力である。また、「不祥事防止システム構築」は「性悪説」でなく「性弱説」の視点で!すなわち人間は弱いもの、社員が罪を犯さないような環境づくりが経営者の役目。

 CSR(企業の社会的責任)が重視されるようになり、リスク変化への対応力が強く求められる時代である。「攻め」と「守り」のバランスが重要。社員を不祥事から守るため、ES(従業員満足度)向上、コミュニケーション、「損得よりも善悪」の判断基準などのコンプライアンス意識向上のための教育が必要である。

 企業倫理と経営者の役割として、①企業倫理とコンプライアンス意識はその「トップの器」で決まる! ②不祥事対処への決断こそ、当にトツプの仕事! ③不祥事報告に感謝の気持ちを持て! ④天命を信じて人事を尽くせ! ⑤社員は社会からの一時的な預かりもの! ⑥社員を罪人にしたら管理者失格! ⑦ES向上と夢・ロマンの付与はトップの責任! ⑧社員にとって最大の労働条件は?
実話を交えての盛り沢山のお話でした。

 最後に「経厳」「師範」「親慈」を挙げられ、これらのバランスこそが経営者に求められる要件と結ばれました。「あなたの会社は大丈夫?-標語・川柳で学ぶ管理者のための企業リスクマネジメント-」:丸善プラネット(株)  という本を書いておられるだけに、企業戦士のための離婚リスク予防川柳(あ・り・が・と・う)をプレゼントされました。 
 
 昨夜来の降雪で出席者が少なかったのが残念ですが、出席できた者にとっては、いいお話が伺えてラッキーでした。

 広報委員長 萩野宏樹

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