2009年6月26日金曜日

今週の倫理 (618号)より 富士の麓で自己練磨、命の源との対話を


静岡県御殿場市にある倫理研究所の教育施設「富士高原研修所」では、年間を通じて経営者、幹部社員、一般社員、新入社員などの各種企業倫理セミナーを開催しています。経営者セミナーは年間で約八百名が受講していますが、参加者の多くの方が大自然との一体化や命の源との対話、また基本動作の体得などを通じて倫理経営の真髄を学ばれています。

尼崎倫理法人会副会長の畑亮一氏(バイオリン等楽器の制作・修理・販売業)は、昨年一月と今年の二月に経営者セミナーを受講。仕事への姿勢はもちろん、自己存在の意味を体感することが出来たのです。
畑氏は班のチームリーダーを引き受けました。教室への入室の際、整列して挨拶を行なうのですが何度やっても揃いません。次第に班員への不足が生じてきました。その時ある班員が「横一列でなく、円になってやった方が、お互いの感覚がつかめるのでは?」と指摘してくれたのです。

私はハッとしました。上手くいかない時、〈全然やってないじゃないか、ダメだ〉と心の中で班員を責めていた私こそ、「リーダーとしての工夫と努力を怠り、出来ていなかった」のです。

〈いつもの仕事ぶりと一緒じゃないか。自分の視点を絶対のものとして周囲に求めるばかりで、最後には人を責めて…〉 

私には「人との調和」という視点が皆無で、〈よい楽器を作っているのに、なぜわかってくれないのか〉と不平不満を募らせていました。依頼主の気持ちを理解しようともせず、なんと独りよがりな仕事ぶりだったのかと、恥ずかしい想いにかられました。
 
 また裸足で屋外を歩いた時に、ヒリヒリする足の裏を痛みを通し「足の裏が全体を支えてくれている」という当たり前の事実を再確認し、脳天から足の裏まで貫く衝撃を受けました。

 以前の私は表面上の評価や儲けに囚われて、自分で摩擦を生じさせていたのです。その間、感謝の念が薄いばかりか、人を踏みつけていたことがあったかもしれません。そのことに気づかなかった自分の至らなさが、ただ情けなく、そして支えられてきたことが有難く、しばらくの間、周囲の声が耳に入らずに涙が止まりませんでした。
 (倫理研究所発行『新世七月号』)

 経営者として超々多忙の日々を過ごしていると、つい自分自身を見失ってしまうことがよくあります。霊峰富士の麓の大自然の中で心を研ぎ澄まし見つめ直すことで、さまざまな気づきや明日からの生きるエネルギーを充電することが出来ます。社員のため、家族のために一点に留まることなく、日々新たな成長を遂げていきたいものです。
 富士高原研修所では、年間を通じてセミナーを開催しています。「年に最低一度は心の車検を」を合言葉に、一回でも多くの受講をし、自己を見つめる静謐な時を持ってまいりましょう。 

2009年6月23日火曜日

6月23日 モーニングセミナー 「21世紀はユーモアの時代」

本日の講話はユーモアスピーチコンサルタント一声事務所 代表若林 一声さんの講話です。

100年来の不況、こうした時代にはユーモアが必要です。
笑いは健康の元、お金とヒトは笑いのあるところにやってくるものです。

笑いはヒトが内面に持つ獣を暴れさせない方法でもあります。近年親殺しや兄弟殺しといった痛ましい事件がニュースで報道されるたび、笑いがない家庭だったから、ヒトの中の獣が暴れてしまったのだろうと思います。

笑いは自分の気持ちを朗らかにすることができますが、笑いの効用は心だけではありません。
身体もNK細胞の活性化によって健康になれるのです。


2009年6月19日金曜日

今週の倫理 (617号)より 後始末を習慣化させ、けじめのある生活を



「事、未だ成らず、小心翼々。事、まさに成らんとす、大胆不敵。事、既に成る、油断大敵」
江戸時代末期から明治にかけ、幕臣として活躍した勝海舟の遺した言葉です。大事に当たっての心構えを述べたもので、「実行前は、細心な研究・調査・計画のもとに充分な準備をする。その際にはあたかも〝小心〟と思えるほどに行なう。実行段階に至っては一切の不安を捨て、一気呵成に行なう。そして、成就の後は油断せず、緊張感を持続する」というものです。

中でも実践が最も難しく、かつ銘肝すべきは「事、既に成る、油断大敵」と、後始末の重要性を説いている箇所ではないでしょうか。「勝って兜の緒を締めよ」「立つ鳥は跡を濁さず」等々、物事や心の後始末の大切さを説いた教訓は様々あります。それらが示唆するように、人は物事がスムーズに進むと、つい気を抜いたり、最後の詰めが甘くなったり、確認などを怠って逆に失敗を招いてしまったりすることがあります。
「新しい契約を苦心の末に取ったが、その後のアフターケアが悪く途中でキャンセルされた」などの話は、あちらこちらに転がっています。取り組んでいる仕事が一段落して〈これで完了した〉と思っても、いま一度、点検作業を徹底して行なうことが大切なのです。

後始末の実践を行なっていく上でのポイントに、次の三点があります。
①間髪をいれずに、すぐに行なう
 後始末のコツとしてまず大切なのは、「間髪を入れずに速やかに行なう」ということです。一息入れたり間をおいては、緊張感が途切れたり、気分もおっくうになってしまって、結局はやらないようになってしまうのです。
②感謝を込める
 後始末は、形だけではなく真心を込めてやることも大切です。仕事場や道具、商品に対してはもちろんのこと、取引先やお客様に対しても、機会を作って訪問したり葉書を送るなど、同様に行ないたいものです。
③「気」を抜かない
 先に述べたように、気の緩みや油断が失敗や事故につながります。最後まで集中力を途切らせずに、パーフェクトを目指しましょう。

      ▽

後始末は単なる後片付けではなく、物事のけじめであり、感謝の気持ちを表現する時と場でもあります。さらには、終点であると同時に、次の仕事へつながっていく出発点でもあります。
最初は意識しなければできないことかもしれませんが、「やろう」と決意して心がけて行なっていくことで、徐々に身についていきます。
後始末が習慣化すると、「この機をのがさず」という前向きな姿勢が磨かれ、どんどん小さな成功を得ることにもつながっていきます。普段から、事の大小にかかわらず、意識をしつつ取り組んでいきましょう。

2009年6月16日火曜日

6月16日 全国一斉清掃デー


本日は、(社)倫理研究所からの通達で、全国一斉清掃デーとして清掃をする日です。

そこで、我々横浜市中央倫理法人会のメンバーも今日だけはモーニングセミナーはお休みにして、普段セミナー会場としてお世話になっているブリーズベイホテルさんの周辺を中心として、桜木町駅周辺をゴミ拾いしました。

普段は会場の中で講話を聞いているわけですが、今日ばかりは早朝の気持ちよさを実感するかのように、みんなすがすがしい顔をしてゴミ拾いに精を出していました。(^.^)

2009年6月12日金曜日

今週の倫理 (616号)より 商人の道は冒険の道 安住を求めるなかれ


「実るほど頭をたれる稲穂かな」。稲は秋になり実が詰まってくると、穂先が重くなって下に垂れてきます。人は成功を収め、地位、名誉、財産、権力を手にすると、知らず知らずのうちに高慢・横柄になり権力を振りかざすようになります。成功した時ほど頭を低くし、謙虚さと今あることへの感謝を忘れるなという戒めを込めた格言です。

Yさんがセミナーの講師として駆け出しだったある時、大手企業の経営者の集まりに招待されました。ホテルでの講演終了後、主催者である七十代の経営者K氏から、「今日はあなたのために特別室を用意してありますので」と言われました。

部屋の前まで案内され、「ここで結構です」と自分で部屋に入ろうとしたところ、K氏が先に部屋の中に入り、若いYさんを床の間の前に座らせ、お茶を入れ始めたのです。苦労の末に会社を築き上げたK氏であり、年齢も親子以上に違うYさんは、その態度に恐縮し、「私に入れさせてください」とお茶を入れる手を遮りました。

するとK氏は「Yさん、何を言っているんです。今日の主役はあなたでしょう。それに私は『商人』です。全ての人間がとは言わないが、ややもすると経営者は少し成功すると偉そうになってしまって、苦労したときのことや人から助けてもらったことを忘れてしまう。商売を始めた時は頭をぺこぺこ下げ、少し上向きになると次第に頭が下がらなくなり、しまいにはふんぞり返る。そして、お金を払う人にだけ頭を下げるようになる。私は店に来られた方だけをお客様と思っていません。店の前を通る人も見込み客であり、列車で隣に座った人も将来のお客様かもしれません。また、その人の家族や友人だって、いつかはお客様になってくれるかもしれないのです。もっと言えば、社員さえも仕事が終わればお客様です。要するに私以外は全てお客様なんです。だからすべての人に感謝するんです」と言うのです。この時、Yさんは冒頭の言葉を思い出したのでした。
 セブン&アイグループの創業者・伊藤雅俊氏は、「商人の道」という文を名誉会長室に掲げているそうです。

農民は連帯感に生きる
商人は孤独を生き甲斐にしなければならぬ
すべては競争者である
農民は安定を求める
商人は不安定こそ利潤の源泉として
喜ばなければならぬ
農民は安全を欲する
商人は冒険を望まなければならぬ
絶えず危険な世界を求め
そこに飛び込まぬ商人は利子生活者であり
隠居であるにすぎぬ
  (中略)
我が歩む処そのものが道である
他人の道は自分の道ではないと云うことが 商人の道である

「経営者は孤独を生き甲斐とせよ。不安定を喜び、安住を求めるな」とは、じつに厳しい「道」です。しかし、ビジネスにリスクはつきものであり、全てを失うこともあるという覚悟、生死を賭けた真剣勝負、生半可ではない迫力、これらから真の感謝や謙虚さ、畏敬の念が生まれ、勘が働き、無限ともいえる英知が沸き起こってくるのです。自身の「道」を究めていきましょう。

2009年6月9日火曜日

6月9日 モーニングセミナー 「クスリ箱のこぼれ話 続編 新型インフルエンザについて」


本日のモーニングセミナーは、東北薬科大学法人監事元・三共株式会社学術部長立花鐵夫さんの講話です。

今話題の新型インフルエンザについて、OHPを使用しての講話でした。

インフルエンザは飛沫感染をするので、手洗いやうがいの励行が重要です。なぜ重要かというと、インフルエンザのウイルスの感染はヒトの気管支粘膜などに付着して感染します。
手から感染すると言うことはありません。
手から口に入って、感染をする。これを予防するために手洗いやうがいが重要なのです。

感染してしまったら医者に行き、抗ウイルス剤などをもらうのはもちろんですが、かかってしまったと思ったら発病してから抗体ができるまでの3日間が勝負ですから、一般療法としての安静療養、室温調節(加湿)、脱水防止や熱を冷ます努力なども欠かさずに行ってください。

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このほかにも、スペイン風邪や香港風邪などのインフルエンザの歴史、インフルエンザが世界を巡ってくる間に形を変えながら世界中を旅して、11月から3月頃、再度巡ってきたときには別の形になっている。など、ためになる話をたくさんお聞かせ下さいました。

2009年6月5日金曜日

今週の倫理 (615号)より 社員は宝なり 喜働集団を育てよう


清掃業を営むY氏(59歳)は、倫理法人会へ平成元年に入会しました。早朝から熱心に勉強している経営者仲間に刺激を受け、〈よし! 自分もやってみよう〉と取り組み始めた頃、「経営者自らがトイレ磨きをするといいですよ」と言われました。「掃除は商売ですから事務員がやってくれています」と返すと、「あなたの心を磨くんですよ」と一喝されたのです。清掃を専門にしているY氏は大切なことを気づかされ、自分の天職としての新たな誇りが生まれたのです。
   
以来、『職場の教養』を使った朝礼や倫理実践によって多くを得たY氏は、その喜びを見知らぬ経営者にも伝えようと、仲間の先頭を切って今も走り回っています。氏は「つくづく普及は宝だと実感する」と言います。「訪問した会社での応対や経営者の態度(挨拶、取次ぎ等々)を目の当たりにすると、良い点も悪い点もみんな自社の生きた教材となるんですよ」と強調します。

初めて訪問した会社でのこと。応対に出た女性社員の言葉遣いに違和感を覚えたY氏は、〈まずいなぁ、ウチにもこのタイプがいるかも…〉と思い、さっそく会社に連絡を入れて、「ウチは大丈夫か?」と確認したところ、そのようなことはないことが分かり、安堵したこともあるといいます。
     ▽
昭和57年、Y氏は米国へ行き、家事サービスの草分けであるA社の女性経営者に話を聞かせてもらいました。将来的な構想を抱いていた氏は、大きな収穫を得て帰国し、翌年には新しい事業として家事サービス業をスタートさせたのです。

氏は試行錯誤の末、どこにもないやり方とサービスを考案しました。女性スタッフ(若手の既婚者)三人一組で訪問し、先方の要望に応じて二時間みっちり清掃等を行なうシステムです。「見知らぬ他人が家に入るというと、不安やストレスを与えかねません。その点をクリアするために、清掃技術はもちろん、マナーをはじめとする人間磨きに絶えず留意しています」とY氏。

全スタッフと顔を合わせることがほとんどないY氏は、社長として全国八十ヵ所の拠点を持つ中で、現場のチーフ宛にメールを打って励ましています。そのメールの末尾に、「がんばってね」と結んでいました。スタッフたちは、雲の上の存在である社長からの激励メールに深く感激したそうです。

しかしある日、某幹部から「社長からのメールに大方は喜んでいますが、中にはそうでない者もいます」と囁かれました。男性であるY氏にはその理由が判らず、ある女性幹部に相談したところ「社長、一字を加えたら、いいと思います。〈がんばってね〉の「て」と「ね」のなかに、「る」を入れたら、きっと彼女たちは、受け容れてくれますよ」とのことでした。さっそくY氏は取り入れてみたところ、大きな効果があったというのです。こうした女性スタッフを会社の宝として大切に思うY氏のもとに、職場人としての意識を高め、期待に応えてくれる集団が出来上がっているのです。

経営者はスタッフに対し、様々な気配りをする必要があり、またそれに伴って気苦労もあります。しかし、それらを含めて「経営者の仕事」なのです。気配り・気苦労をいとわず、スタッフを社の宝として育てていくことを第一の仕事としましょう。

2009年6月2日火曜日

6月2日 モーニングセミナー 「磨け!実践力」


今朝のモーニングセミナーは(社)倫理研究所 富士教育センター 総務部主任荒木良仁さんの講話です。

荒木さんは倫理研究所に入所し、みそぎや滝の荒行を通じて、命の元である水への感謝を学んだといいます。

冬のみそぎは、一晩外に置くため富士山周辺の外気にさらされて表面は凍っています。
雪の中での荒行は根性や気合いでは乗り越えられないほど厳しく、リタイアする人も続出するのだそうです。

荒木さんは荒行を実践するには、体を柔らかくほぐし、感謝と祈りの気持ちをもって行うことが重要で、実践を通じて水との一体感が生まれ、満足のいく感動体験が生まれると言います。

つまり滝の荒行は、「感謝は最高の気力である」ことを実感するための学びなのです。

◆洗面の倫理

私は皆様に提唱したい。「朝あさの洗面こそは、私どもが物質の恩を感謝する最初の礼式と致そうではありませんか。この美しい水を飲み水に養われて大きくなった物を食べ、物を着、物で建てられた家に住み、この水に育まれた山に野に、丘に森に、川に海に、雲・霧・雨・雪と千変万化の大自然の中に、水とともに生きている、このつきぬ喜び。これをしみじみと思い、身をもって感謝するよすがとしたい。
ですから、井戸(水道の出口)に向かって一礼して、この清水をちょうだい致しましょう。そして、洗面器の中にたたえられた水、これに心より感謝しつつ、祖先にうけ、自然にうけ、親にいただいたこの身体、この顔、天上天下、この他に我なき我の奇しく尊き生ふ命の府なるこの体を、この顔を、心静かに洗いましょう、清めましょう。
(「清き耳」丸山敏雄P56-57)

◆健康法として、夜の「みそぎ」

入浴における養生のポイントは、①ぬる目のお湯を入れた湯舟に入り、②汗をかきすぎない程度であがり、③最初と最後に水かぬるま湯のシャワーを浴びることです。
湯舟のお湯の温度はぬるめで、夏なら39~40度、冬なら40~41度くらいです。
入浴法としてぜひお勧めしたいのが、最初と最後のぬるま湯シャワーです。湯舟の湯温よりも十度ほど低いぬるま湯を浴びることで、皮膚に適度な刺激を与え、活性化させることができるのです。
(「老いを防ぐ「腎」ワーノレドの脅威」小高修司著講談社+α新書45~46)