2008年1月15日火曜日
1月15日 モーニングセミナー 「チャンスの神様をつかまえよう 一期一会」
今日のMSは下平久美子さんの講話です。
下平さんは元日本航空国際線スチュワーデス、現在は株式会社リファイン代表取締役・日本交流分析協会の理事をされています。
最近では心理学を通じてのカウンセリングでを行っているが、その際気づくことは、傷はだれでも受けるものなのに、その傷から立ち直るのが遅い人が増えてきている。といいます。
自己肯定ができない人が増えていて、すぐに「私にはできない。無理。」という。
それは誰が言ったのか?誰が決めたのか? と尋ねると、そのほとんどが「えーっと、誰かに言われたかな?」と首をかしげる。
自分で決めているだけの人がほとんど。
「やってみなくちゃわからない。」「きっとできる。」との自己肯定的な思考を行うことで、他者否定にならないようになっていってほしい。とお話しいただきました。
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スチュワーデス時代の失敗談も大変おもしろかったので、ご紹介します。
ある日のフライト。国際線機内で突然の大きな揺れ。
普段は冷静な言葉遣いを心がけているのだが、瞬間的に「おっとやべえ。」と漏らしてしまう。
それを聞き逃さなかった乗客が、「上席を呼べ!」とのクレーム。
「何というしつけの悪いスチュワーデスを使っているのか!」など一時間以上も上司と一緒にお詫びをする羽目になった。
一緒に謝ってくれた上司はこれまでたくさんのことを教えてもらった大の恩人。この上司に多大な迷惑をかけたのだから、この人から「おまえはもう辞めろ。」といわれたら素直に辞めようと思い、上司に謝罪しにいった。
ところが上司の反応は違った。
「部下のために頭を下げるのがオレの仕事。これからも、いくらでも頭ぐらい下げてやる。」
「これまで指導したスチュワーデスもオレに頭を下げさせたヤツほど、でっかくなっている。お前もきっといいスチュワーデスになれるから、頑張れ。でっかくなれよ。」と励まされた。
また、下平さんがJALの試験に受かり、初フライトを迎えた日のこと。
完全に舞い上がってしまい、何をして良いかわからなくなって、先輩スチュワーデスの間をちょろちょろと邪魔ばかりしているところを一番上のスチュワーデスが見るに見かねて「新人は何もできなくて良いから、笑顔と挨拶だけしていなさい。」と叱られる。
へこんだ気分でいた時に、白髪のアメリカ人の乗客から声をかけられました。
彼は「コーヒーを一杯いただきたい。」と言います。
やっと廻ってきた自分のできる仕事だ!と意気込んで、おいしいコーヒーをたっぷりと注いで持っていった。
サービスのつもりでめいっぱい注いだコーヒー。それがいけなかった。
飛行機の揺れで、注文してくれたお客様のベージュのズボンにコーヒーをこぼしてしまった。
それからの後始末は、頭が真っ白になって、どうしたのか今でも覚えていない。
着陸がすんで、乗客をお送りする時、コーヒーをこぼしてしまった相手にまた会ってしまった。
その場から逃げ出そうとしたが、やさしく呼び止められた。
「小さな、かわいいスチュワーデスさん。失敗はしたけれどあなたが一生懸命やっていたのはみんなが見ていたよ。きっとよいスチュワーデスになるから、頑張りなさい。」と、やさしく私にもわかるゆっくりとした英語で話しかけられた。
人はコーヒーをこぼされても、相手に思いやったり優しい言葉をかけることができるのだということを教わった。
貴重な体験を、楽しくお話しいただいたMSでした。
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