
ジャパンダッチオーブン・ソサエティ事務局長 古和田信基様の講話です。
料理なんて興味もなかった古和田氏が友人の薦めで、ダッチオーブンの料理にはまっていくのですが、ダッチオーブンとはカウボーイが使っていたという鉄鍋のことで、そのたくましい風貌が男心をくすぐるアイテムです。
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私はこの鍋の定番料理、チキンの丸焼きから始めたところ、とても旨くできてしまい、土日のたびにこのオーブンを使って料理を始めてしまいました。
私が厨房に立つと、おもしろがって子供たちも一緒に料理を手伝います。まるでサッカーを一緒にやるように。
その様子が家内からみても嬉しいらしく、家族全員で一緒に料理を作る楽しみが増えました。
私の幼少期、家庭での食事の思い出といえば、母の手料理のおいしさとは裏腹に、食卓での会話などの記憶が希薄で、なぜかつまらなかったという印象だったように思います。
これをもう少し思い出してみると、いつも両親を前に食事をするとき、話す話題といえば今日の出来事の報告や父親の説教といったことばかりでしたから、これで楽しい訳がない。
こうして考えてみると楽しくない食卓にはどんなにおいしい料理をもってきても、子供たちが戻ってこないのかもしれません。
サントリーの調査によると、家庭で家族がそろって食べる食事が週に1回もしくは2回と答えた家庭が、朝食の場合で65%、夕食の場合で57%という結果が出ています。
こうした少しの機会であるから食事の際気をつけることは、しつけよりも楽しさ優先と考える家庭が97%という数字も出ています。
イギリスでは子供の非行問題が他のEU諸国に比べ大きくクローズアップされているのですが、これにはイギリス家庭で家族の食事や団らんがないことが大きな問題ではないか?と言われています。
そう考えてくると家庭の食卓とは、味や料理の腕前、材料の良し悪しよりも家族のコミュニケーションの場ではないか?そんな気がしてきました。
単なる父親の道楽から始めたのですが、この料理を作るといった趣味は子供たちも妻も喜んで参加してくれ、楽しさが伝播するクリエイティブなことなんじゃないか?と。
そういってもなかなかお父さんが料理を始めるなんて難しいことかもしれません。
そこでダッチオーブンのような趣味性の高いものから入っていき、自慢できるようなもの、楽しめるものからはじめてみては?
。。。というお話でした。
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古和田様のダッチオーブンのお料理本が出版されました。当サイトのリンクからたどってみて下さい。

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