2009年1月30日金曜日

今週の倫理 (597号)より 活力朝礼がやる気集団をつくる

平成21年度の倫理経営講演会が、1月5日の東京都巣鴨倫理法人会を皮切りに全国591の単会で始まりました。
本年度は、メインテーマ「日本創生の心」に、サブテーマ「ここに倫理がある」と「朝礼が企業を変える」を掲げ、いずれかを主催者が選択して行なうことになっています。

この後者で言う朝礼は、一日を元気よくスタートさせるためのものであるところから「活力朝礼」と呼んでいます。朝礼を導入することによって企業が変わっていくことは、すでに多くの企業が体感していることでしょう。ここで改めて、朝礼導入時の迷いを払拭するために、長野県岡谷市の「アポロ歯科医院(院長・宮坂伸氏)」の事例を紹介しましょう。

昭和53年8月に開業した同医院が、倫理法人会に入会したのは平成10年のことでした。『職場の教養』を用いた活力朝礼を、その翌年から開始しました。

同医院では、朝礼自体は開業時から実施していましたが、当時の朝礼は他人に語れるようなものではありませんでした。待合室にいる患者さんに聞かれないように、奥の技工室で戸を閉めて、小声でその日の連絡事項を伝えるだけのものでした。院長挨拶もスタッフのアラ探しや小言が多く、参加者の誰もがその長い話にうんざりしていました。何とか良い話を聞かせたいと、宮坂氏はネタ本を買い求めて勉強したものの、活力朝礼とは程遠いものでした。

何とかしなければと思い悩んでいた頃、先輩から勧められ倫理法人会に入会。同時に『職場の教養』が送られてきましたが、半年もの間、封も切らずに放置しているという不良会員でした。

活力朝礼の導入にあたり心配だったのは、スタッフの大半が20歳代の女性であったこと。皆の顔色を窺いながら同意を求めたところ、「大きな声を出すのが恥ずかしい」と言われた程度で、大きな抵抗もなく受け入れてくれたのです。

導入してよかったことは、①院長の挨拶が自信を持ってできるようになった②院長がスタッフのアラ探しをしなくなった③『職場の教養』の活用によって、スタッフ間の意志の疎通が図れるようになった④大きな声を出すことで以前にも増して明るい笑顔で朝礼ができるようになった、などでした。職場朝礼とは、このように紆余曲折を経ながら確実なものになっていくのです。

では活力朝礼の意義とは、どのようなものでしょうか。それは①スタートを合わせる(方針の徹底)②モチベーションを高める(士気の高揚)③コミュニケーションを深める(チームワークの向上)④マナーを磨く(基本動作の習得)にあります。

「朝礼は一将の影」とも言われるように、各社各様の朝礼が実施されて然るべきです。それぞれの企業の経営理念に即した朝礼が実施できるよう、創意工夫をしつつ「やる気集団」づくりを実現していきましょう。

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