2009年4月28日火曜日

4月28日 モーニングセミナー 会員スピーチ 田中義光様、加藤正代様

本日のMSは会員スピーチです。

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加藤正代さんは、現在ご夫婦で欧州料理店「みーしゃ」(横浜市南区吉野町)を経営されています。

横浜市保土ヶ谷区で生まれた加藤さんは、学生時代にパソコン通信に熱中、PCを通じて友人が増え、オフ会では食べ歩きの仲間が増えたといいます。こうした食べ歩きの中でご主人と出会いました。

加藤さんのご主人は、旧ソ連やトルコといった日本人にはなじみの少ないアジアとヨーロッパの中間で料理の修業積んで、その成果を欧州料理「みーしゃ」で発揮、8年前から季刊誌「四季の味」という料理雑誌、レシピを提供しています。

その加藤さんご夫妻が慢心しないために普段から気をつけていることは、「味覚の鍛錬」「初心を忘れない」ことだといいます。

40歳を過ぎる頃から味覚は落ちるといいますが、刺激物をできるだけ取らないことや、お客様に食事を出す前に自分を満腹にしない等、大変な努力を続けていらっしゃいます。

最後に、フランチャイズのレストランが増える中、料理を通じてオーナーシェフの姿勢がわかる店を探してほしいとお話しされました。

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株式会社中央電気設備 代表取締役 田中義光様の講話です。


田中さんはノンキャリアの警察官として38年間勤めてきました。
交番勤務も多く、警察の現場は端で見るよりとても大変だといいます。

特に今はクレーマーともとれるような住民への対応で多くの時間が割かれて、満足のいく捜査ができないこともしばしばあるそうです。

田中さんが警察官だった頃は、「ちょっと醤油貸して。。」というような、温かい住民とのコミュニケーションがとれていた時代でありました。このためか、みなさんの協力もあって検挙率も高かったように思うとおっしゃっていました。

人情味溢れる警察時代のエピソードはもっと聞きたいという参加者が何人もいらっしゃいました。

2009年4月24日金曜日

今週の倫理 (609号)より すなおな心になって自分自身を伸ばす


プロ野球の打撃コーチとして、三十年間で七つの球団を渡り歩き、平成十六年に六十歳という若さでその生涯に幕を降ろしたのが高畠導宏氏です。

 それぞれの選手に見合った独自の練習法を編み出し、欠点を改めるのではなく長所を見抜き伸ばしていく指導法で、コーチ時代に三十人以上のタイトルホルダーを育て上げることに成功しました。

 高畠氏は、亡くなる最期の年に、高校の教員として教壇に立ちました。元々は選手の心理面の育成にと、大学の通信課程で青年心理学を学び始めたのがきっかけでした。打撃の技術論を極限まで突き詰め、選手への指導にあたっていましたが、いくら技術を習得しても、大事な場面でその力を発揮できない選手がいることから、心理面の学びを深めていったのです。

プロ野球コーチとして、また教師として、「生徒」の心をグッとつかんでいた氏が、伸びる人物の共通点を次のように述べています。

① 素直である
② 好奇心旺盛である
③ 忍耐力があり、あきらめない
④ 準備を怠らない
⑤ 几帳面である
⑥ 気配りができる
⑦ 夢を持ち、目標をたかく設定することができる
(門田隆将著『甲子園への遺言~伝説の打撃コーチ高畠導宏の生涯~』講談社)

 中でも、氏がトップに挙げている「素直」こそが伸長の根底となるでしょう。

 倫理法人会は、純粋倫理の実践によって自己革新をはかり、健全な繁栄をめざす経営者の集まりです。この純粋倫理は「いつ」「どこで」「誰が」行なっても常に正しく、皆が幸せになるための道です。
そのため、「明朗」「愛和」「喜働」の実践によって「純情(すなお)」な心になるために、日常生活の一つひとつの動作を通して自己革新をはかっています。

「純情」とは、「ふんわりとやわらかで、何のこだわりも不足もなく、澄みきった張りきった心」です。
苦難や問題、逆境、壁というものに遭遇しているとき、自分自身の心を客観的に見たならば、「すなおな心」ではなくなっていることに気づくでしょう。「重々しく硬く、こだわりがあり、不足があり、曇りきった縮みきった心」のようにです。

「すなおな心」になるためには、利己心から利他心へと移行し、私心をなくしていくことが求められます。その実践として、どんな状況下でも「これが良い」と受けきることです。そのまま受ける心を具現化した行為が

「ハイ」の返事です。
 現代社会に生きる私たちは、ややもすると多くの事柄を「損得勘定」で判断しがちです。人からの頼まれごとに対しては、すなおに「ハイ!」と心から返事をし、心から受けきることが、自分自身にとっても大きな飛躍の第一歩となるのです。

2009年4月21日火曜日

4月21日 モーニングセミナー 「地域産業政策の行方」


財団法人藤沢市産業振興財団事務局長、藤沢市準倫理法人会会長、梶原良一さんの講話です。

梶原さんによると、藤沢市のように小さな市は横浜市のような大きな市に比べサービスが悪いように思われがちだが、実際は小さな市は一人あたりのサービスが手厚くなっているといいます。

梶原さんは、学生時代に世論調査のアルバイトで訪問面接、地域の皆さんの意見を聞くことの重要性を感じ、政治家を志して松下政経塾の三期生として入塾しました。

政策がわかる政治家を目指し、政策コンサルも行いましたが、選挙では落選。
家族や周囲の支援者に多大な迷惑をかけたといいます。

そのころ、政治家を目指して落選した梶原さんに、とある方からの声掛けで、「政治家になるだけが政治に携わるわけではない。梶原さんの実力を貸してくれないか?」との誘いから、第3セクターである藤沢産業センターの事業を立て直しへと向かいます。

予算主義なのに赤字経営を行ってきた藤沢産業センターを立て直し、いまでは藤沢でビジネスシーズを発掘、ビジネスプランを作成、藤沢における起業・インキュベーションの支援、藤沢の地域産業を支える政策を担って藤沢の地域産業振興のために頑張っていらっしゃるとのことでした。

2009年4月17日金曜日

今週の倫理 (608号)より 個々の気を揃えて組織を活性化させよう。


南北に長く広がる日本列島を、桜前線が北上しています。沖縄では先月中旬にはその時期が過ぎ、いよいよこれからと心待ちにしている東北や北海道まで、大自然の生命がいっせいに萌える季節です。街では新入社員たちの初々しい姿を目にします。誰しも「自分にも、あのような頃があったな」と懐かしみつつ、気分を一新したい季節でもあるでしょう。

穏やかな季節の一方で、中小企業は厳しい淘汰の嵐に晒されています。昨年来の世界的な経済の大変動の中で、生き残りを賭けた戦いを強いられているところも少なくありません。また逆に、このような時期だからこそ、社員と危機感を共有できる絶好のチャンスと捉え、組織の精鋭化に取り組む企業もあるようです。
企業は、同じ時間、同じ空間を共有するだけの「集団」ではありません。組織として成立していなければ、いずれは淘汰の波に呑み込まれてしまいます。

組織として成立するためには、まず共通の目的を持つことが求められます。社会情勢が激変を続ける中で適応し続けていくには、組織の普遍の縦軸とも言える共通目的、すなわち「理念」を欠くことは出来ません。組織を構成する一人ひとりが理念を共有することで、変化に対して柔軟かつ俊敏に対応しうる組織のバックボーンを作るのです。

次に、仕事に対する個々人の貢献意欲を高めることです。言われたことだけをやればいい、周囲の人間におんぶに抱っこ、指示待ち等々は、貢献意欲に欠けた人間の典型でしょう。組織の力を高めていくには、各人が自身の持てる力を発揮したいという意欲を持つことが大切です。

さらに、これら共通目的と貢献意欲を個々人の意識の中で統合していくのが、組織内のコミュニケーションです。いくら貢献意欲があっても、方向がずれていれば、それは徒労になってしまいます。また、チームワークが発揮できなければ、結果として大きな無駄が生じます。組織内での縦横のコミュニケーションが円滑で密度の濃いものになれば、各々が組織の中での立場を認識し、意識を統一して目的に向かうことができ、組織力は何倍にも高まるでしょう。

以上の事柄は、実は毎日の「活力朝礼」の中で実現できることです。社是・社訓の唱和やワンポイント的な学習の時間をとれば、掲げた理念を社員一人ひとりの中に熟成させるきっかけとなります。前日の業務における誰かの小さな貢献を取り上げれば、周囲に認められることになり、意欲を高めます。また、姿勢や返事、挨拶などの基本動作は、働く意欲の土台となるものです。そして何より、朝礼の中での報告・連絡、そして発声や動作を合わせて「気をそろえる」ことが、コミュニケーション力を高める道となります。

今こそ活力朝礼によって、働き甲斐のある組織を創造しようではありませんか。

2009年4月14日火曜日

4月14日 モーニングセミナー 「バトンを渡す」


倫理研究所法人局参事蓮見幸子様の講話、「バトンを渡す」です。

私は豊島区巣鴨とげ抜き地蔵の近くに住んでいます。
日本中のモーニングセミナーに参加していますが、こちらの会場は他の会場と少し雰囲気が違う、なんだかグレードが高いように感じます。(笑)

さて、本日のテーマ、「バトンを渡す」です。
昨今跡継ぎが難しい時代になっていますが、バトンを果たすことは人生の一大事、バトンタッチができればあとはスムーズに流れていくのでは?と思います。

創始者の丸山敏雄先生は夫婦道という本を寄稿される前に「普通安産の書」という本を発刊されました。

書の冒頭に「世の中の生き物は皆、子を産んで栄える、実のなれば絶える」と書かれています。

2つのものがひとつになったとき発展する。
対立(2つのものが)合一(ひとつになると)生成発展(生まれ発展していく)。

会社の長期的な成長も家庭の生成発展が基になっています。

うまくバトンを渡していく、子供の心にしみる方法として家訓を作るというのも良いとと思います。簡単なものでよいからつくるといいです。

テレビでやっていた話題ですが、石原良純家の家訓、「あいさつをせよ、時間を守れ、日に一度は空を見よ。」
あいさつが以下に世間を広くするか?
時の刻みは命の刻み。時間は本当に大切です。
守らないのは人の時間を盗んでいるわけですから、
空を見よというのは、どこに行ってもあるのが空。

こういったものでよいから、うちのどこかに貼っておいて、いつでも見えるようにしておくと良いでしょう。


資料より。。。

(バトンを渡す)

人の出現はリレーレースです。
祖先一貫、反復連絡、人間的自覚は血液中にある。遺伝を受け継いで今に至っています。
今を走る私たちは次の世代の子や孫たちにどんなバトンを渡したらよいのでしょうか?
家は生命の根源、衣食住の基であり共に精神性格の据わり場所である。

家は私たちの生命の流れであり家の継承はそのまま祖先を次ぎ、祖先と一体になることです。家には肉眼で見ることのできない家柄、家名、血統と言った生命的、精神的、人間的流れが厳然として存在している。

この世の中での出来事は良くも悪くも一度行えば恰もフィルムに傷がつき又は光線が差し込んだように焼き付けられて消えない。そしてこのフィルムは前後ただ一本に統一されているので、これを取り去っておかなければ必ず現れる。これは世代を超えて何時までも伝承投影する、これが時には一世代を飛び越えたり変幻自在である。

●家の作用

つまり家の作用とは夫婦を基盤として肉体継承の場、例の循環の場、トク不徳の不滅の場である。
働きによっていよいよ存在の価値が高まり十とばれるのである。
家のため、人の与野のため尽くす献身、奉仕の生活に徹して寂然となし家の流れを浄化すること、漢音感謝の生活を観光して少しでも不徳の消去に心がけることである。

●式をとる

・家族会議で決める
・決まったことはあとのために書いておく
・墓前か仏前で式を取る
・次男三男、他家に嫁いだものは宗家の隆盛を喜ぶこと
・宗家は分家の面倒を見ること

●天の命

「天の命」これを中国古典の中庸では(性)という、(性)とは天の命じたものを言う。
植物性、動物性、人間性、男性、女性などという性がある、これは天の命じたもので、何人もこれをどうすることもできない。さらに人間には個性という性がある。個性を真性にするためには、不達の条件が必要であり、ひとつは教え、(学問)二つは(節)でその個性のあり方が変わる。

2009年4月10日金曜日

今週の倫理 (607号)より うまく歳を重ねて活力ある日々を送る


人間の年齢には、三つの数え方があると言われています。

 第一は、「生活年齢」と言われるものです。この世に生を享け、毎年一歳ずつ重ねていく年齢のことです。
 孔子に「吾十有五にして学に志す、三十にして立つ、四十にして惑わず、五十にして天命を知る、六十にして耳順(したが)う、七十にして心の欲する所に従って、矩(のり)を踰(こ)えず」(『論語』)という言葉があります。年を重ねるごとに人はより人らしく成長していくものだと孔子は語っていますが、この境地に自らを導いていくことは至難の技です。
 また、長寿を祝う賀寿祝として、六十一歳を還暦、七十歳を古希、七十七歳を喜寿、八十八歳を米寿、九十九歳を白寿と節目ごとに祝います。今日では、百寿(百歳)を越える長寿の方も増えてきました。

 第二は、「生理的年齢」で、この年齢にはかなり個人差があります。仙厓和尚の「老人六歌仙」には、次のようなものが歌われています。
 人は老人になると、誰もが「皺が寄る、腰が曲がる、髭が白くなる。手は震え、足がよろつき、耳が遠くなり、目が悪くなる。身に添うものは、杖、眼鏡、湯たんぽ、尿瓶。死にたくないと寂しがり、欲が深くなる。くどくなり、気短になり、世話をやきたがる。達者自慢をしては、人に嫌がられる」というのです。確かに若い頃は考えもつかなかったことが、身体の上に現われてくるものです。
 したがって多くの人は、日々、健康に気をつかい、年齢より少しでも若く見られるよう努力をするのです。

 第三は「心理的年齢」と呼ばれるものです。これは加齢とともに心の中に忍び寄ってきて、本人が気づかぬうちに立ち居振る舞いが老いてしまうものです。
 徐々にものの考え方が保守的になり、頑固さや強情さが折々に顔を出すようになる。妙に義理堅くなって、必要以上にそれにこだわるようになる。興味が減退をして、昔の趣味や食べものにこだわってみたり、依存症をわずらって一人で物事に対処できなくなる。自己中心的な考え方が強まり、自分が相手にされないと、「自分は他人から排斥されている」という被害者意識が強まり、ひがみっぽく気短になり、ケチになる。以上のように、若い時期には考えられなかったことが、言動に表出されるものです。

 第一の「生活年齢」は、人である限り避けては通れないものです。できるだけうまく年を重ね、いつまでも生涯現役として若々しさを保ちたいものです。

そのためには様々な手法があるでしょうが、倫理を学ぶ私たちは心を素直に保ち、日々身のまわりで生じることを明るく前向きに「これがよい」と受け止め、一切の憂い心を断っていくことです。まずは目が覚めたらすぐ起きるという「朝起き」に取り組みましょう。朝起きの人は、不思議と皆さん若々しいものです。
 限られた生命を粗末にせずに、活力あふれる毎日を過ごしていきましょう。

2009年4月7日火曜日

4月7日 モーニングセミナー 「人生は感動の旅」 ~感動こそ生きる力 生きる喜びになる~


本日は生きがい研究所所長 小山清氏の講話です。

日々の生活の中に、感動がないと感じていると、生きる力もなかなか湧いてこないものです。
感動すなわち、心を動かされるようなことがあるときに、生きている喜びが感じられます。
感動は自ら探し、味わい、記録してゆくときに、その人に知らず知らず身についてゆくものです。
感動ある日々を過ごすと日々新たな自分になり、明日の生きるエネルギーが湧いてくることでしょう。

そこで感動とは何か。感動から得られるもの。感動を誰もが得られる方法。感動の事例。などを紹介し、感動ある人生を歩む第一歩になれば幸いです。

1、感動とは「ものごとに感じて起こる精神的興奮、精神的悦びー涙が出る」である。
  
1)人の心を変える…“パラダイムシフト”を起こさせる。
感動は人の心に変化を起こさせる。大げさな表現をすると「感動によってパラダイムシフト」が起こる。
* パラダイム(paradigm):支配的な物の見方、思考の枠組み
* シフト(shift):移動、移行、転換
パラダイムシフトとは「考え方、視点がガラッと変ること」また「ある物事に対する固定観念、既成概念が崩れ新たな価値観が生まれること」である。これによって斬新な心に蘇ることになる。

2)自分の本心に立ち返る

感動すると、自分を覆っていた体面や体裁や虚栄や拭い去られ自分の本心に立ち返ることができる。ときに人間愛に目覚めるようになる。

3)聞き手に忘れがたいものを与え、説得力がます。
現在、予備校の授業が注目されている。それは苦手だった科目を好きにする感動的な授業をする先生がいることである。好きになれば一人で勉強するようになる。

2、感動について著名人のことば

小林 秀雄(評論家)「自分が自分に戻れるのは感動しているときだけである」
国木田独歩(作家) 「どんな時にもドキドキする人間になりたい」
加藤シズエ〈評論家〉「私の若さの秘訣は一日10回以上感動することです」「感動したことは忘れない」
石田 衣良〈作家〉 「心は身体と同じで、いつも動かしていないとすぐカチカチに硬くなってしまう。涙〈感動〉には人の心をストレッチする柔らかな力がある」(2003,12,30朝日新聞、天声人語より)
高倉 健〈俳優〉  「感動しなくなったら、人間おしまいだと思うんですね。人間にとって一番贅沢なのは、心がふるえるような感動だ」(「旅の途中で」新潮社)
松永 伍一〈作家〉 「感動は過去形にならない」(「感動の瞬間」大和書房)
相田みつを〈詩人〉 「一生感動、一生青春」「知識は部分、感動は全部」

3、人間から得られる感動

人間の行動からは、自然に劣らない感動がある。それによって、「気」の巡りがよくなり癒される。

1) ホスピタリティー〈CS経営〉
・1、ノードストローム社のサービス革命
(1)婚約指輪に婚約パーティー
・2、ディズニーワールド・ディズニーランドのホスピタリティー
(1) アイスクリームを持ってあげたスタッフ
(2) 結婚記念日の食事
(3) ディズニーランドのお子様ランチ
・3、大阪万博と松下幸之助
・4、アサヒビール新社長〈樋口廣太郎〉の挨拶
・5、樋口廣太郎社長の西宮工場での訓示と質問
・6、東日本ハウス〈中村功元会長〉の企業理念
・7、湖西市長(三上 元)の初朝礼の挨拶
・8、本田宗一郎 お礼の旅
・9、365日休まず社内新聞、六花亭製菓社長  小田 豊さん

2)『町おこし』からの感動
・1、宮崎県綾町 郷田實町長による「産業観光」
・2、愛媛県双海町 「沈む夕日が立ち止まる町」
・3、大分県大山町 「ウメ、クリ植えてハワイへ行こう」
・4、大分県湯布院町 「湯布院映画祭」 「ゆふいん音楽祭」
・5、沖縄県宮古島 「トライアスロンの島」  
・6、北海道ニセコ町 「情報公開日本一」
・7、和歌山県    「めっけもん広場」
・8、長野県小川村  「おやき」を事業化
・9、広島県川根地区 「全員参加の地域づくり」

3)スポーツからの感動
・1、黒田投手の勝利デビュー
・2、阪神赤星憲広選手のボランティア
・3、古田敦司選手 2000本安打と記念ボール
・4、横浜フリューゲルスを潰さないで
・5、ゴルフ選手グレッグ・ノーマンの魅力

4)教育活動からの感動
・1、福岡県立城南高等学校 「あなたの夢は何ですか」
・2、新潟県水沢中学校 「どろぼうは校長先生だった」
・3、不登校の女の子を立ち直らせた農家のおじさん
・4、ガキ大将を一変させた女先生

5)映画からの感動
・1、「不撓不屈」家族の支えが何よりの力
・2、「武士の一分」意地を貫く魅力
・3、「単騎、千里を走る」人の情けが人を動かす
・4、「Always三丁目の夕日」人の幸せは人情から
・5、「山の郵便配達」人を思い遣る心
・6、「おくりびと」魂の癒やしで和解する

6)慈善と奉仕からの感動
・1、マザーテレサ“Poor is beautiful”
・2、マザーテレサ 最後の言葉「ありがとう」
・3、山元加津子さんの話
(1)やさしいやさしいやくざさん
(2)「公園の人」に手紙を書いた
(3)キーちゃんの話 「結婚式の浴衣」
・4、桂 文珍 「相手を癒せば自分も癒される」
・5、黒柳徹子「アフガニスタンの子供の幸せそうな笑顔」
・6、西山登志雄園長「ゴリラと仲良しになるまで」
・7、北方文化博物館「豪農伊藤家の善行」
・8、山古志村仮設住宅の人たち
・9、世界第二位高峰登頂の美談
・10、倒産―リストラから立ち直らせたラブレター
57歳で、夫の勤めていたデザイン会社が倒産した。毎日、肩を落としてハローワークに通う夫を見て、妻 柳迫充子さん〈56歳〉は、夫 義彦さんにラブレターを書いた。
『二十七歳のあなたと、貧しくとも、アパート暮らしが楽しかった。
三十七歳のあなたは、子煩悩で、家の中はいつもにぎやかだった。
四十七歳のあなたは、仕事に夢中で、目がきらきらしていた。
五十七歳のあなたは今、会社倒産、リストラ等、冷たい風を全身に浴び
それでも心の中は、ホカホカ。そんな今のあなたが、私は大好き。』
このラブレターを見た夫は、見違えるように元気になっていった。家の中の壁に貼り毎日眺めている。食事や家事を当たり前だと思っていたが感謝の念が出るようになった。夫から「ありがとう」のことばが増えてきた。充子さんはパートに出るようになった。夫は若い頃からの夢だった木版画で食べてゆくことを妻と語り合うようになった。今まで、気づかなかったことが、喜びに変わっていった。(NHK出版「夫から妻へ、妻から夫へ 六十歳のラブレター」より)

苦しんでいる人、悩んでいる人を丸ごと肯定することば、感謝のことば、謝罪のことば(ラブレター)は、人を感動させ癒しを与えるものである。

2009年4月3日金曜日

今週の倫理 (606号)より 花の咲かない寒い日は下へ下へと根を伸ばす好機


新年度を迎えても経済状況は依然厳しい状況です。しかし、こんな時だからこそ、気持ちだけでも明るく前向きに保たないと暗い時代に飲み込まれてしまいそうです。

人は目の前の現象に心を動かし、事象によって明るくなったり、暗くなったりします。明るく前向きになるような「感動」の出来事であれば良いのですが、暗く不安な「動揺」する出来事もあります。百年に一度の大恐慌などと耳にすれば、不安や恐怖に駆られる人も多いはずです。

ましてや、メインの取引先が倒産した、売上げや注文が激減した等々、現実問題として自社に問題が振りかかった場合、落ち着いてはいられませんし、飛んできた火の粉は払わなければなりません。眼前に課題が迫ったとき、右往左往するか、どっかりと課題に正対できるかどうかは、経営者の力量、つまり経営者自身の日頃が問われるといっても過言ではないでしょう。

NHKテレビ三月二十二日放映の「経済羅針盤」に出演した伊那食品工業会長の塚越寛さんは、『年輪経営』という著書を出版し、サラリーマンや経営者の間で注目を集めています。年輪経営とは「急成長を求めない、身の丈にあった成長を求める経営」をいいます。加えて「会社を取り巻く全ての人を幸せにしたい」という、祈りにも似た信念を実現するよう日頃から努力を惜しまない氏の姿が印象的でした。

氏は二宮尊徳の「遠くをはかるものは富み 近くをはかるものは貧す それ遠きをはかる者は百年のために杉苗を植う。まして春まきて秋実るものにおいてをや。故に富有なり。近くをはかる者は 春植えて秋実るものをも尚遠しとして植えず 唯眼前の利に迷うてまかずして取り 植えずして刈り取ることのみ眼につく。故に貧窮す」を座右の銘とし、好景気のときも不況時に備えることに手を抜かず、「好景気があれば必ず不景気がある。だから、遠くを図ることを日頃から忘れてはならない」と、日常の重要性を強調しています。

具体的な事例として、研究開発に力を注ぎ、新規開発商品をプールしておく。毎年一つずつ新商品を発表できるように新商品の発表時期も慎重に検討する。社員の福利厚生を充実させるなど、言行一致を心がけています。現在の繁栄は、「どうしたらこの会社が永続するかを基準に、身の丈にあった成長を求め、遠きを図り、信念を持って実践躬行を繰り返した結果。何も特別なことはしていません」と謙虚に語ります。

倫理運動の創始者・丸山敏雄は、「事業は憂えるから崩れる。(中略)うれえるの反対は、喜ぶことである。希望に燃えること、信ずることである」と、日頃から遠きを図り、信念を持ち続ける秘訣は喜ぶことだと述べています。喜ぶ第一歩は、全ての事象現象を「これがよい」とありのままに受け容れる心境を養うこと。倫理経営はそこから始まります。

大恐慌といわれる時代を「これがよい」と、ありのまま受け容れ、腰を据えて自身と自社の改革に取組む好機とし、経営者としての信念を深め培うチャンスと捉えましょう。日頃より遠きを図り、きっと出来るぞ、きっとやるぞと動かぬ信念を練り固め、どんな時代にも強靭でしなやかに環境に適応する会社を創りあげていきましょう。