2009年4月17日金曜日

今週の倫理 (608号)より 個々の気を揃えて組織を活性化させよう。


南北に長く広がる日本列島を、桜前線が北上しています。沖縄では先月中旬にはその時期が過ぎ、いよいよこれからと心待ちにしている東北や北海道まで、大自然の生命がいっせいに萌える季節です。街では新入社員たちの初々しい姿を目にします。誰しも「自分にも、あのような頃があったな」と懐かしみつつ、気分を一新したい季節でもあるでしょう。

穏やかな季節の一方で、中小企業は厳しい淘汰の嵐に晒されています。昨年来の世界的な経済の大変動の中で、生き残りを賭けた戦いを強いられているところも少なくありません。また逆に、このような時期だからこそ、社員と危機感を共有できる絶好のチャンスと捉え、組織の精鋭化に取り組む企業もあるようです。
企業は、同じ時間、同じ空間を共有するだけの「集団」ではありません。組織として成立していなければ、いずれは淘汰の波に呑み込まれてしまいます。

組織として成立するためには、まず共通の目的を持つことが求められます。社会情勢が激変を続ける中で適応し続けていくには、組織の普遍の縦軸とも言える共通目的、すなわち「理念」を欠くことは出来ません。組織を構成する一人ひとりが理念を共有することで、変化に対して柔軟かつ俊敏に対応しうる組織のバックボーンを作るのです。

次に、仕事に対する個々人の貢献意欲を高めることです。言われたことだけをやればいい、周囲の人間におんぶに抱っこ、指示待ち等々は、貢献意欲に欠けた人間の典型でしょう。組織の力を高めていくには、各人が自身の持てる力を発揮したいという意欲を持つことが大切です。

さらに、これら共通目的と貢献意欲を個々人の意識の中で統合していくのが、組織内のコミュニケーションです。いくら貢献意欲があっても、方向がずれていれば、それは徒労になってしまいます。また、チームワークが発揮できなければ、結果として大きな無駄が生じます。組織内での縦横のコミュニケーションが円滑で密度の濃いものになれば、各々が組織の中での立場を認識し、意識を統一して目的に向かうことができ、組織力は何倍にも高まるでしょう。

以上の事柄は、実は毎日の「活力朝礼」の中で実現できることです。社是・社訓の唱和やワンポイント的な学習の時間をとれば、掲げた理念を社員一人ひとりの中に熟成させるきっかけとなります。前日の業務における誰かの小さな貢献を取り上げれば、周囲に認められることになり、意欲を高めます。また、姿勢や返事、挨拶などの基本動作は、働く意欲の土台となるものです。そして何より、朝礼の中での報告・連絡、そして発声や動作を合わせて「気をそろえる」ことが、コミュニケーション力を高める道となります。

今こそ活力朝礼によって、働き甲斐のある組織を創造しようではありませんか。

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