2008年10月17日金曜日

今週の倫理 (582号)より 可能性は誰にもある 輝く企業を目指そう

日本の社会は今、「大きな変化という試練」に直面しています。「景気が悪いから、業績が伸びない」と嘆いても、現状は何一つ変わりません。

「企業は人なり」といいます。今のような時こそ、経営者と幹部社員、そして一般社員が三位一体とならなければ、生き残れない時代なのです。社員一人ひとりの持っている「善さ」「可能性」を無限に引き出し、そこに働く人々のエネルギーと才能を、どこまでも活かしていくことです。
一九二〇(大正九)年、インドのカルカッタの西南百十キロにあるゴタムリという村で「オオカミ少女」が発見されました。顔かたちは人間ですが、行動はまさしくオオカミそのものなのです。日中は、暗い部屋の隅で眠ってウトウトしているか、顔を壁に向けたままほとんど身動きもせずにじっとしていますが、夜になるとあたりをうろつきまわり、夜中には三度、オオカミのように遠ぼえをあげるのです。顔かたちは人間でも、心(精神)は全くの野生動物なのです。オオカミに育てられたために、オオカミそのものとなってしまったのです。

ここで強調しておきたいことは、人間はオオカミにさえなれるということです。育て方次第によって、人間は何にでもなれる可能性を持っているという事実です。危機の時こそ大きく変われるチャンスを秘めています。経営者はまず、社内にはびこっている古い体質を打破し、社員の意識や行動を変えていくことが重要なのです。

「鏡の理法」をぜひ取り入れていきましょう。鏡に猫を映せば猫が映ります。自分を映せば自分の姿がそのまま映ります。では、自分の心はどこに映るか。それは、良いことも悪いことも、家族・社員・お客様の全ての現象は、自分(経営者)の心の中がそのまま反映し、映し出されているのです。
会社をよりよく変えたいと願うなら、まず経営者自身がより良く変わることです。まず自分自身を徹底的に変えて自己革新を図ることです。自分が変われば、それにしたがって会社も必ず変わっていきます。自分の心、姿勢、生活のあり方を改善し、本物にならなければ、ゴマカシは通用しない時代なのです。
対話の中にこそ中小零細の強みがあるといわれます。トップ自身が現場との対話を重視していくことです。従業員との対話や従業員への思いやり、また真の強い愛情が、次の日から即座に現場で活かされていきます。そして、会社が動き出していくのです。

建設資材・住宅設備機器販売のA社は、ゼロからの出発でした。設立五年目に大きな不良債権を抱え、倒産の危機を迎えましたが、社員一丸となって乗り切り、その後は新しい分野にも進出して安定経営を続けています。「一人ひとりが輝く企業」を目指し、実践一路で地域に貢献しようと意気盛んです。

社長一人で全てを担えるわけではありません。会社というものは人の集合体であり、トップ以下全社員がやる気を起こさなければ、会社はすぐに立ち行かなくなってしまいます。社員各人が現場に精通し、業界の動きを捉え、見事な決断でヤル集団として燃え抜いていきましょう。

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